著書『弦齋夫人の料理談』とは? わかりやすく解説

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著書『弦齋夫人の料理談』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/03 00:01 UTC 版)

村井多嘉子」の記事における「著書『弦齋夫人の料理談』」の解説

著書に『婦人世界』の連載単行本まとめて出版された『弦齋夫人料理談』シリーズ(全4編)がある。同書は、月ごとに「松茸如何に択ぶべきか」「大根如何なる効があるか」といった記者からの問い村井多嘉子答える形で構成された。質問者はあくまで「一記者」とされているが、弦斎の自筆原稿一部残っており、少なくとも記事いくつかは弦斎が一記者となって書いたものとされる例えば、当時まだ新し食品だった牛乳に関する牛乳如何に料理すべきか」という問いに対しては、夏の料理として牛乳葛餅フランスブラン・マンジェアレンジ考えられる)や牛乳羹が紹介されている。料理レシピ以外にも「朝食はこうあるべき」といった食事心得盛り込まれ食育重要性説かれた。1909年刊行され第2編では、「弁当料理如何にすべきか」「学校通ひ弁当如何にするか」などの問い子供弁当あり方取り上げ弁当適した料理紹介したほか、腐敗防止のために梅干入れることや冷めた米飯の上温かいおかずを置かないようにすることなど独自の見解述べている。また、1912年刊行第4編玄米応用手軽料理」では、玄米脚気予防効果探り当時新しい知見紹介実験・研究成果報告をして、日本人常食調理法一新することを目的とした玄米食提唱した。 『弦齋夫人料理談』には、「フライ」「カスタードおしるこ」といった100年以上を経てもなお斬新とされうるようなメニュー多数掲載されており、ナタリーによると「レシピ本走り」とも言われている。大衆料理研究家小野員裕は、明治・大正・昭和時代日本レシピ本特集した2015年書籍の中で、明治期レシピ本一つとして同書第2編取り上げている。特に、小野は『弦齋夫人料理談』に掲載されレシピ一つである「牡蠣玉子酢」を実際に作って食べ、 高級和食店の一品料理としてあってもおかしくない上品で繊細な料理だ。 と評価した2020年には、バラエティ番組『タモリ倶楽部』で『弦齋夫人料理談』が特集され掲載されレシピ実際に調理する様子放送された。同年には、113年ぶりに同書再刊され、帯には「明治時代驚愕美食レシピ」との文言記された。食文化学者江原絢子東四柳祥子は、『食道楽』と『弦齋夫人料理談』とを比較して両者に全く同じ内容含まれていることを指摘したうえで、 『食道楽成立のいわば裏方担った多嘉子の実際的な解説は、同じ内容でも読む人には新鮮味があったのかもしれない。 としている。 第4編扱われ玄米研究については、いまだ脚気原因ビタミン不足にあることが分かっていない時代玄米着目して研究していたことを丸島指摘し、「先進的な取り組みであった」と評価している。 書籍構成面については、小野が「口語文による記者との問答になっているのが実にユニークだ」と評している。このような対談形式での進行については、2020年実業之日本社から再刊された際の著者略歴によれば現在のテレビ料理番組構成基礎になったとされている。

※この「著書『弦齋夫人の料理談』」の解説は、「村井多嘉子」の解説の一部です。
「著書『弦齋夫人の料理談』」を含む「村井多嘉子」の記事については、「村井多嘉子」の概要を参照ください。

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