著書『動物たちと五十年』
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「高橋峯吉」の記事における「著書『動物たちと五十年』」の解説
高橋は1957年(昭和32年)に、著書『動物たちと五十年』を実業之日本社から出版した。この本は『私という男について』という自らの経歴紹介に始まり、「象」、「キリン」、「河馬」などの担当した動物たちに関するエピソードが続き、その中で関東大震災当時の動物園や1936年(昭和11年)に発生したクロヒョウ脱走について触れている。さらに『戦争と猛獣たち』で第二次世界大戦当時の痛ましい出来事を記述し、『戦後の動物たち』で敗戦の痛手から蘇って新たな歩みを始める上野動物園を、『上野動物園の今昔』では昔の動物園とその後の動物園を比較し、施設の移り変わりなどを追っている。この章の最後には、高橋が上野動物園を退職する日の心情も記された。最終章は『初入園の動物たち』について、その歴史を博物館時代の記録や資料を基にして綴り、参考として主な動物に与える飼料の種類と量を記している。 高橋の著書に序文を寄せたのは、当時の上野動物園園長古賀忠道であった。古賀は高橋について「実に誠実な飼育係として終始しました」とその勤務態度と人格を称え、「既に七十歳というのに、若い人にまけずに、というより実際は若い人以上に動物の面倒を見てくれたのです」と更に称賛した。『動物たちと五十年』について古賀は「五十年の長い間の翁(注:高橋を指す)の動物との生活、特に直接動物と共に暮した記録こそ、私は、吾が国の動物園史の貴重な文献として、本書の現れたことを大変喜んでいる次第です」と序文を結んだ。
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