著書『朝鮮戦争 金日成とマッカーサーの陰謀』
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「萩原遼」の記事における「著書『朝鮮戦争 金日成とマッカーサーの陰謀』」の解説
渡米した際、米国公文書館の資料(朝鮮戦争のとき、米軍が没収した朝鮮労働党と朝鮮人民軍などの資料)を3年かけて調査し、『朝鮮戦争 金日成とマッカーサーの陰謀』を著した。同書で、朝鮮戦争が北から仕掛けたことを明らかにした。 佐々木春隆(防衛大学校教授)は、「厖大な北の内部資料駆使されてのわが国初めての偉大なる大傑作に最高の敬意を表します。北の文献によって北の行動を証明されたのは初めてですし、関心をもつものの長年に亘る希望を叶えて下さったからです」と評した。 小此木政夫は、「本書の圧巻は戦争が準備され、開始されるまでを描写した第5章から9章である。たとえば第5章の『戦争準備』では、国共内戦に参加した中国在住の朝鮮人部隊(3個師団)が帰国し、北朝鮮軍の主力部隊として再編される模様が追跡されている。毛沢東、朱徳、林彪らは、この部隊が何に使われるを明確に認識していた。ソ連だけでなく、中国も戦争の共犯者だったのである。また第6章では、南進の前段階が38度線近くでの『夏期戦闘文化訓練』として整えられ、兵士と砲弾が次々と南に移動していく様子が描き出されている。さらに第7、8、9章では、北朝鮮軍第6、第3、第2師団がそれぞれ開城-汶山、東豆山-抱川、春川に向けて攻撃を開始するまでの経過が克明に追跡されている」と述べた。 桜井浩(久留米大学教授)は、「北朝鮮の資料によって朝鮮戦争の真実を追求した本書の意義は大きい。おそらく、北朝鮮当局が公開しないかぎり、これ以上の資料は入手できないであろう。今後朝鮮戦争と北朝鮮の関連を論じようとすればかならず本書を参照しなければならないであろう。本書が朝鮮戦争の研究にたいして行ったもっとも重要な貢献はこの点であると思われる」と評した。 元朝鮮人民軍第6師団政治保衛部責任軍官・元朝鮮人民軍初代歴史記録部長崔泰煥は、自分の属していた第6師団の文書が多数引用され、そのなかに親しい戦友の名があり「感慨無量で私は一人泣きました」と長文の手紙を寄せた。
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