本書の意義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/09/19 04:41 UTC 版)
仙台藩領、つまり宮城県と岩手県南部には、古代の多賀城、近世の仙台城を代表に著名な城が多いが、数的に多いのは中世に作られた比較的小さな城・館である。しかし、史料・研究・調査の密度からいうと、古代の城柵、近世の城・要害の充実と比べ、中世城館はまったく手薄であった。それゆえ、本書の不朽の業績は、急速な開発が進む1970年前後に成し遂げられた中世城館の悉皆調査にある。 江戸時代の仙台藩は、領内の村役人にその村の廃城について知ることを提出させ、それをまとめて『仙台領古城書上』を編纂した。旧仙台領の中世城館に関する必須文献だか、記述が簡略である。『仙台領内古城・館』は、範囲・数・内容のすべてにおいて古城書上を凌駕し、21世紀初めまで匹敵するものがない大著である。市町村の自治体史を集めて束にすればその収録範囲は本書に匹敵するはずだが、こと中世城館については本書を越えない所が多い。発掘調査は紫桃がなしえなかったことだが、後の開発で破壊・改変されてしまった箇所については、本書の記録がかけがえのないものになっている。
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