菊池寛との出会いとは? わかりやすく解説

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菊池寛との出会い

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 02:00 UTC 版)

横光利一」の記事における「菊池寛との出会い」の解説

1919年大正8年)、『新潮』が「菊池寛氏に対す公開状」を募集し佐藤一英応募する入選し、それが機縁となって佐藤菊池寛訪ねるようになった菊池小説を書くようにすすめたが、佐藤はあくまで詩を作るとのべ、親友小説志望がいるといい、1920年横光菊池寛紹介し以降生涯師事することとなった友人小島勗の家へ出入りしているうちに、当時13歳であった妹のキミ意識し始める。 1920年大正9年1月雑誌サンエス』に小説「宝」を発表9月戸塚から小石川区初音町初音館に移った。ここで横光生田長江フローベールサランボー」を手元において小説書き、またデクエンシイやクヌート・ハムスン読んでいたと吉田一穂中山義秀述べている。この頃雑誌サンエス』で親友佐藤一英とともに外国文学紹介(無署名記事)のアルバイトをしていた。またこの頃佐藤に「俺は余り志賀直哉)氏にかぶれすぎていた」と書簡で書いている。小島キミへの恋心自覚し小島勗徴兵され不在小島家頻繁に通った1921年大正10年1月時事新報に「踊見」を応募し選外一位となった政治経済学科へ転入する長期欠席学費未納のため除籍となる。6月藤森淳三、富ノ澤麟太郎古賀龍視らと同人誌『街』を創刊11月8日小石川中富坂の菊池寛の家で川端康成出会い菊池二人本郷牛肉屋「江知勝」に連れて行き牛鍋ふるまった。しかしストイックな横光はほとんど箸を持たなかった。後年、このことが事実かどうか中山義秀問いただした際、横光は「あれは偉い人の前だったから、俺は我慢して喰べなかったのだ」と苦笑し答えた横光先に帰る菊池川端に「あれはえらい男だから友達になれ」といった。以降横光藤森淳三と仲違いの際に川端仲介を頼むなどし、争い好まず友人の多い川端女房フォローは、傲然として敵の多い横光大きな援けとなった。「御身」を書くがこの時には発表せずにいる。この頃ペンネームを「横光左馬(さま)」にすれば、「これならいつでも人から敬称されている」と昂然としていた。一時キリスト教徒になり教会にも出入りしたこの頃」と「日輪」を書いていたが、暮らし貧しく一日の食事は十銭のラーメン一杯だけであった一度だけ、中山義秀に少しの借金をした。また小島キミとの恋愛を、一年徴兵から戻って大学復学した兄の小島勗反対される。理由小島勗復学後に左翼化して横光思想的対立したこと、小島不在中に横光頻繁に小島家訪ねたことを不快に思ったこと、「愛する人家事奴隷にするのは罪悪」として経済力のない横光受け入れなかったことであった1922年大正11年2月に「南北」が『人間』に掲載された。5月富ノ澤麟太郎古賀小島勗中山義秀らと同人雑誌『塔』を創刊し、「面」(のち「笑はれた子」)を掲載8月29日に父が仕事先朝鮮京城客死享年55)し、ひとり渡鮮した。「青い石を拾つてから」では京城黄色く、駅で母と会い父の家にいくとすでに葬式はすんでおり、骨箱をみて横光は「何アんぢや、こんなものか」と笑ったが、夕方になると悲しみ浸った。父を亡くしたことで経済的にますます困窮し、そのため小島キミとの恋愛絶望的であった虚無感にひたり、朝鮮について「ここの民族は、ひよつとすると歴史頂上疲れているのであろう。これはたしかにあの空が悪いのだ。笑ひを奪つたあの空が。冷酷で、どこかあまりに人間馬鹿に過ぎた空である。どこに風が吹いているかと云うのような、ああ云う空の下ではとても民族発展することが出来るものではない。何の親しみもない空だ。澄明虚無的応援力が少しもなく、それかと云つて、もしあの空に曇られたならとても仰ぐのも恐ろしくなる相違ない」(「旅行記」)と書き、やがて「私はもう何事にもだんだん悲しまなくなつて来た。さうして私は私自身冷たくなればなるほど私は次第強み感じて来た」と心境表現した

※この「菊池寛との出会い」の解説は、「横光利一」の解説の一部です。
「菊池寛との出会い」を含む「横光利一」の記事については、「横光利一」の概要を参照ください。

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