自然科学の歴史と方法論とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 自然科学の歴史と方法論の意味・解説 

自然科学の歴史と方法論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 17:11 UTC 版)

自然科学」の記事における「自然科学の歴史と方法論」の解説

何をもって自然科学誕生見なすか、という点については科学史研究者ごとにそれなりに異なった見方がある。自然を対象とした学問としては、確かに古代ギリシア時代以来自然学」があった。またヨーロッパ中世にはスコラ学があり、「自由七科」という学問分類内の「クアドリウム(四科)」には、天文学含まれていた。ただし、科学史などでは、それらの学問中に新たな方法論傾向芽生えたことを指摘することで、それらの学問自然科学的方法論の対比をしたり、それをもって自然科学初期の歴史説明としていることが多い。 近代自然科学方法論説明のしかたはいくつもあるが、実験観察されたり分析と総合されたり仮説実証されたりする。 イブン・アル=ハイサム ロバート・グロステスト ベーコン ガリレオ ケプラー デカルト ニュートン 現在考えられているような自然科学近代自然科学)の説明する場合17世紀ヨーロッパの「自然科学者」(当時自然哲学者自然学者呼ばれていた人々)の研究一部紹介されることが多い。説明する科学史家のバックグラウンド違い例え物理学化学・生物学などの違い)によって、どの手法をピックアップするのか、選択異なった重点の置き方が異なっている。物理系ではケプラーガリレイデカルトニュートン等などの手法の一部言及することが多い。 中世アラビア科学であれ中世ラテン科学であれ、分析概念重要な方法論と見なされていた。古代アルキメデス解析的方法巨匠であり、イスラーム中世イブン・アル・ハイサムそうした解析的手法伝統を継ぐ人であったが、20世紀になりラテン科学歴史研究発展するつれて、中世ラテン科学中心的荷い手のひとりロバート・グロステストが「近代的科学方法概念開拓者」と見なされた理由のひとつは、彼がアリストテレスの『分析論後書』に独創的な注釈加筆したからであったこうした古代中世分析概念に、ガリレオデカルト大きな飛躍もたらしたガリレオパドヴァ学者たちの生み出したものの恩恵を受けつつ、彼の業績上げたデカルトそれまで数学的な解析代数的なものに転換するのに大きな役割果たしたことに加えて自然哲学において分析概念枢要な地位与えた分析総合対比させつつ深化させた人物としてニュートン特筆値するニュートン実験科学についての主著とされる光学』の末尾添えた疑問」(Queries)の章において、次のように論じた数学と同様、自然哲学においても、難解なことがら研究には、分析の方法による研究総合方法先行しなければならないこの分析とは、実験観察を行うことであり、またそれらから帰納によって一般的結論引き出し、そしてこの結論対す異議は、実験あるいは他の真理から得られたもの以外は認めないことである また、総合については次のように述べた総合とは、発見され原理として確立され原因を仮に採用し、それらによってそれらから生じる諸現象説明し、その説明証明することである こうした分析と総合に関する説明には、同国人のベーコン考え方大きく影響している。ニュートンによって、分析と総合対概念が、批判的帰納法介しつつ明確に自然科学にまで拡張されと言うことができる、と佐々木力指摘した実証支え精密な実験実験解析方法進展加え理論展開する土台となる数学手法構築されオープン科学成果交換しえる場(ロンドン王立協会フランス科学アカデミー等)も登場した。また同時期に学術雑誌登場し、ジャーナル・アカデミズムが確立した新たな知識は、公開の場で討論され鍛え上げられていくようになり、科学成果は、発見者占有物ではなく万人知的共有財産となることになったこのように知識効率的に共有されるシステム築かれたことが、その後科学知識膨大蓄積されていく原動力となった。これらすべてを可能たらしめるシステム全体近代自然科学営為である。

※この「自然科学の歴史と方法論」の解説は、「自然科学」の解説の一部です。
「自然科学の歴史と方法論」を含む「自然科学」の記事については、「自然科学」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「自然科学の歴史と方法論」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「自然科学の歴史と方法論」の関連用語

自然科学の歴史と方法論のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



自然科学の歴史と方法論のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの自然科学 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS