自然科学における業績
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「アイザック・ニュートン」の記事における「自然科学における業績」の解説
主に光学、数学、力学で業績があった。 ラテン語の主著『Philosophiae Naturalis Principia Mathematica』(1687年7月5日刊、和訳名『自然哲学の数学的諸原理(プリンキピア)』)の中で、物質の量(現在の質量)や、現在における慣性、運動量、力などに相当する概念を定義し、絶対的空間の概念を説明した上で、運動方程式などの運動の3法則と万有引力の法則について述べ、数学を用いて(現代的な微分積分学は用いていない)、古典力学(ニュートン力学)を創始。これによって実験的に示された地上の物体の運動と、観測によって得られた天体の運動を統一的な理論によって説明し、予測可能である事を示した。光学において光のスペクトル分析などの業績も残した。ニュートン式反射望遠鏡の製作でも有名である。 ニュートンは、地球と天体の運動を初めて演繹的に示し、太陽系の構造について言及した。また、ケプラーの惑星運動法則を力学的に説明した一人であり、天体の軌道が楕円、双曲線、放物線などの円錐曲線になる事を示した。また、働く力に対する、物体の抵抗度合いの量である慣性質量と、物体に働く万有引力の大きさを決定する、物体固有の量が比例関係にある事を指摘した(これにより、地上の物体の自由落下で、物体の質量に関わらず加速度が一定になる事を説明できる)。 色彩理論に関して、白色光は、それ以上分光できない単色光の混合色であり、白色光がガラスなどを通過して屈折した際に虹色になるのは、各単色光の屈折率の違いによるものであるとして、この事をプリズムを用いた実験により確かめた。光の粒子説を唱えたが、古典的な意味では誤りだった。1704年に英語で『光学』を発表。虹の色数を7色だとしたのも彼である。[要検証 – ノート] ほかにも、ニュートンの冷却の法則、運動量および角運動量の保存の法則の端緒をつけ、空気中での音速や恒星の起源などについて言及した(なお、現在の視座では多くが不正確なものであり、正しく完成させたのは後世の学者たちである)。 ニュートン力学を用いた、1749年のジャン・ダランベールによる正確な春分点歳差の計算、アレクシス・クレローによる1759年のハレー彗星の回帰の予測などを通じて、理論の正しさの社会的合意が形成された。 数学分野においてはライプニッツとともに微分積分法の発見が特に重要な業績である。現在の定義で極限に相当する無限小について考察し、現在の導関数の元である流率の概念を考え、また「流率の逆演算」として積分を考えた。
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