自然科学における実数の使用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 06:03 UTC 版)
自然科学のさまざまな分野において、連続的に変化する量の計測値を表す数の体系として実数がもちいられている。たとえば時間は基準となる時刻からの経過を表す一つの実数によって指定される。また、現実には離散的な値をとる量でもその単位があまりに小さい場合には実数による連続的な定式化が用いられる。たとえば化学における溶液の濃度や経済学における通貨流通量などは微分や積分が可能な関数によって表され、解析されるのが普通である。 一方で、20世紀に入って量子力学において複素数(値の関数)が本質的なものとしてもちいられることや、物理量が離散的な値をとる(量子化)ことなど、現実世界の現象の記述にいつでも実数が適合しているわけではないことが認識されるようになった。ベルンハルト・リーマンなど何人かの数学者は、空間における物体の位置を表す数の体系としても、実数はひとつの近似を提示しているにすぎないのかもしれないという疑念を表明している。
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