経絡造血系の発見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/16 06:06 UTC 版)
森下は氣能医学を進めていくうちに、腸管造血と併せて経絡造血が存在するという考えに至った。 そのきっかけは、耳朶採血した血液を位相差顕微鏡で観察すると、赤血球、白血球、血小板のほかに、赤血球よりもはるかに大きな夾雑物(プラーク)と呼ばれるものが頻繁に見受けられる。こうした巨大な物質は、直径7 - 8μあるいはそれ以下という細さの毛細血管から出てきたものではない。したがって、巨大なプラークは細胞と細胞の隙間を通って出てくる非血行性移動であり、一緒に検出される耳朶採血の赤血球は、末梢血液ではないということになる。 現在の医学書では、末梢血管の先端部分は動脈血と静脈血の部分がつながって、ザルのようになった閉鎖系としているが、一部ブリッジは存在しても、末梢血管の末端は開放系だと考える。そうでなければ、耳朶採血によって巨大な夾雑物も共に観察される説明が付かない。末梢血管の末端に空間が拡がり、そこに血球や老廃組織などが混在しているとすれば、恐らくこの空間の血液を採っているのではないか。 巨大な夾雑物が末梢血液空間に出るまでに通る細胞と細胞の隙間(タイルの目地にあたる部分)は、以前は細網内皮系と呼んで医学教育でも教えていた。それは正体不明の全身的な網目構造であり、そこには特殊な細胞が詰まっていると教えられたが、それは夾雑物と一緒に老化細胞が移動していると考えるべきである。現在は、細胞外マトリックスといって毛細血管が分布しているとするが、これは主として皮膚、軟骨、骨、筋などの結合組織に関する知見であって、毛細血管壁や内臓組織などの細胞間隙についてはほとんどわかっていない。細網内皮系の特性は、貪食作用(老廃物、有害物)、物質貯蔵(蛋白質、脂肪など)、血液細胞の造成、免疫機能(抗体形成)などとされており、そうしたシステムを為す組織細胞の存在はあり得るというより、なければならないはずである。 夾雑物の中には血管系も多く観察され、それらを個々に波動測定すると、血管とリンパ管の混合型が観られる。時間の経過に従ってどちらかに分化していくであろう血管系夾雑物であり、これは、キム・ボンハン(金鳳漢)のオリジナルレポートからボンハン管のコードをつくりMIRSに入力した、ボンハンシステムに関する波動のどれかに必ず反応する。もともとボンハン管というものが根底にあって、そこから発生した血管でありリンパ管である。森下は、この血管系夾雑物をボンパ血管と名付けた。ボンパ血管は固定した管ではなく、生命発展しつつある途中の状態の管だと考えた。 ボンハン管というのは、1961年に平壌医科大学のキム・ボンハン教授が発表した革新的な経絡理論で、生物体には血管・リンパ管、神経系統とは全く異なる第三の脈管系統(経絡系統)が存在すると主張した。その後、各国の追試でネガティブデータが大勢を占め否定されたが、ボンハン管の内部には彼がサンアルと名付けた顆粒状の生命基本小体が循環するといい、サンアルが発展してバクテリアになったり細胞になったりすると考えていた。森下も同様な考えをもっており、生命の最小単位は細胞ではなく、ウイルス大の基本小体がバクテリアになり細胞に進化し、しかも可逆的な反応を示す。 血球も、最初はリンパ球と赤血球は混合型として同じ細胞であり、やがて分化していくのだから、これを血球原基とすればボンパ血管は脈管原基である。こうした脈管の中に、しばしば血球が認められる。これを氣能医学的に解析するとリンパ球と赤血球の中間を示し、つまり血球原基と考えられる。とするならば、経絡組織で血球が造られているということになる。恐らく、サンアル(生命基本小体)をベースにして、宇宙の生命エネルギーをつかって発展させ、血球を造っていくという可能性は充分にある。 経絡造血が行われると仮定すれは、2005年5月のフジテレビで放映された、ロシアの68歳の女性が過去5年間物を食べずに生きており、モスクワ民族友好大学の教授が調査したところ実に健康体で、内臓の組織と機能は驚くべき若さだったというのも説明がつけられる。ときに報告されるこうした例は、何らかのきっかけで経絡造血優位にうまくスイッチしたのであろう。 森下は、ボンハン管の考え方を重視し、その中にDNAやヒアルロン酸ほか色々な物質が移動しており、そこに宇宙エネルギーがぶつかって細胞化現象が起こってくる可能性があるが、宇宙エネルギーを直接的に利用するという現象は、さらに色々な角度から検討しなければならない大きな問題だと述べており、道半ばであった。
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