第2の哨戒 1945年7月 - 9月 最後の雷撃
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「トースク (潜水艦)」の記事における「第2の哨戒 1945年7月 - 9月 最後の雷撃」の解説
7月17日、トースクは2回目の哨戒で日本海に向かった。7月31日から8月2日まではアプラ港に停泊し、8月10日に対馬海峡の機雷敷設海域を通過して日本海に入った。8月11日の朝に7名の日本人乗組員を救助して尋問の結果、彼らは4日前の8月6日に角島灯台沖で空爆により沈没した輸送船光和丸(大光商船、1,084トン)の生存者であることが分かった。その日午後早く、トースクは哨戒海域に到着し、翌8月12日朝には北緯36度15分 東経133度27分 / 北緯36.250度 東経133.450度 / 36.250; 133.450の島後島沖で小型輸送船を発見して魚雷を2本発射、1本を命中させて目標を撃沈したと判断された。8月13日、トースクは安島沖を哨戒し、午前中は多数の漁船を観測。午後に入り、北緯36度17分 東経136度09分 / 北緯36.283度 東経136.150度 / 36.283; 136.150の三国沖で輸送船快豊丸(中央汽船、886トン)を観測して魚雷を3本発射、1本が命中してこれを撃沈した。同じ日の夜には北緯36度00分 東経135度57分 / 北緯36.000度 東経135.950度 / 36.000; 135.950の若狭湾入り口で輸送船と護衛艦を探知し、魚雷を4本発射したが命中せず、その後75隻の漁船団を追跡しつつ船団の護衛艦を回避した。 詳細は「香住沖海戦」を参照 8月14日朝、トースクは餘部沖で中型輸送船を観測、追跡を始めた。輸送船には第47号海防艦が随伴していた。2隻は朝鮮半島方面に向けて航行中だった。10時35分、輸送船と第47号海防艦は香住港に接近しつつあり、トースクは新たに装備したマーク28誘導魚雷を海防艦に向けて発射した。数分後、魚雷は第47号海防艦に命中し爆発、第47号海防艦は艦尾が30度の角度で折れ曲がり、北緯35度42分 東経134度36分 / 北緯35.700度 東経134.600度 / 35.700; 134.600の地点で間もなく沈没した。輸送船は30分後に香住港に入港し、トースクはこれを撃沈しようと魚雷を2本発射したが失敗した。おそらくは魚雷が港入り口の暗礁にぶつかったためと考えられた。第47号海防艦沈没により、香住の在郷軍人や警防団、漁師らが救助に向かった。 正午近く、別の海防艦が現れた。輸送船と第47号海防艦に合流すべく5時30分に境港を出航してきた第13号海防艦であった。第13号海防艦は、前方海域に浮遊物と漂流者を発見し警戒を強めた。トースクは戦闘を継続、魚雷を2度にわたって発射した。海防艦は潜水艦の存在を既に察知しており、ただちに回避。リューレン艦長は潜航の準備を命じ、静音での潜航を命じた。緊張した5分間が過ぎ、トースクは400フィートの深度に到達、再び魚雷を装填、三度目の発射を行った。このとき三度にわたって発射したのは、もう一つの新型のマーク27誘導魚雷(英語版)であった。第1弾の発射後間もなく魚雷は標的に命中、爆発音が観測された。1分後、第2弾の爆発音が観測された。秘密の新型魚雷は戦闘においてその価値を証明した。第13号海防艦は第1弾、第2弾は回避したものの第3弾の魚雷を艦尾に受け、12時55分に北緯35度41分 東経134度35分 / 北緯35.683度 東経134.583度 / 35.683; 134.583の地点で沈没した。トースクは2隻の敵艦を撃沈したことで賞賛されたが、それらの艦は第二次世界大戦において魚雷によって沈められた最後の軍艦でもあった。トースクは敵機および哨戒艇によって7時間の潜航を強いられることとなった。その後安全が確保されると浮上し、能登半島沖に向けて航行した。 成功した4日間の哨戒を終えた8月15日、トースクは終戦の報せを受け取った。トースクは日本海での哨戒を継続し、目視および写真撮影による監視、浮遊機雷の破壊を行った。8月31日に魚雷の航跡と思われるものを観測した。このことは終戦の通知がいまだ行き渡ってはいないことを示すものとされた。トースクは9月1日にマリアナ諸島に向けて出航、9月3日に対馬海峡を通過した。9月9日、トースクは50日間の行動を終えてアプラ港に帰投した。
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