第2の大爆発
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 16:18 UTC 版)
「ルシタニア (客船)」の記事における「第2の大爆発」の解説
ドイツはルシタニアに少量の弾薬・銃器類が秘密裏に積まれており、シュヴィーガー艦長が単に義務を果たしただけであるとして攻撃の正当性を主張した。また、魚雷による雷撃の衝撃に続いて発生した第2の大爆発は、潜水艦艦長の「火薬の誘爆を認める」との戦闘報告どおりであり、この弾薬類に引火したものであるとも主張した。ただし、ドイツ側が事前に臨検を行ったわけではなく、撃沈時の航海で弾薬や銃器が発見されたわけではない。一方、イギリス側は弾薬・実弾の搭載を認めなかった。 この後、調査隊が送り込まれ、ルシタニアの残骸を調査したところ、攻撃を受けた側と反対側には損傷が見られないことから、弾薬のようなものの爆発は起きていないことが分かった。 1993年、タイタニックの発見で知られている海洋考古学者ロバート・バラードが、ルシタニアの残骸を改めて調査し、船体に空いた穴を確認した。この調査で、バラードは、ルシタニアの石炭庫が粉塵爆発を起こしたものと推測した。バラードは、航海の終わりにさしかかり空になっていた石炭庫に魚雷が命中したことにより空気が入って、さらに火花が散ったため舞い上がった粉塵が爆発を起こしたものだと推測した。しかし、その後の議論で、粉塵爆発は不可能に近いとの意見が出た。反対派によると、魚雷によって穴が空き空気が入ったのなら同時に海水も流れ込み、爆発するのはありえないとした。 その後、アメリカ海軍による調査が行われ、第2の爆発は粉塵爆発ではなく、高圧のボイラーが爆発した、というのがもっともらしい原因だとした。その他にも歴史家や専門家が様々な意見を出しているが、ボイラーの水蒸気爆発がもっとも有力な説である。 ナショナルジオグラフィック・チャンネルで放映された番組「ドイツ軍が沈めた客船の謎」(Dark Secrets of the Lusitania) でも、海底に沈む船体の調査に加えて、石炭粉塵やルシタニアへの積み込みが疑われている弾薬原料 (粉末アルミニウム、綿火薬) が爆発した場合などの実験とシミュレーションを実施。魚雷による破口から流入した海水が高温のボイラーに触れたことによる水蒸気爆発が、船体の破損状況や生存者による目撃証言と整合するとの見解を示した。
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