空前絶後の大豊作
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 23:17 UTC 版)
「プロ野球ドラフト会議」の記事における「空前絶後の大豊作」の解説
1968年のドラフトでは山本浩司(広島1位)、田淵幸一(阪神1位)、有藤通世(東京1位)、野村収(大洋1位)、星野仙一(中日1位)、山田久志(阪急1位)、東尾修(西鉄1位)、大橋穣(東映1位)、加藤秀司(阪急2位)、大島康徳(中日3位)、金田留広(東映4位)、福本豊(阪急7位)、島谷金二(中日9位)、門田博光(阪急12位・入団拒否)、藤原満(南海4位)、稲葉光雄(広島6位・入団拒否)、長崎慶一(阪神8位・入団拒否)、水谷則博(中日2位)など、1970年代から1980年代のプロ野球を代表する選手が数多く指名された。阪急が指名した15名のうち、3名(加藤、福本、門田)が2000本安打を達成し、1名(山田)が200勝を達成している。巨人はこの時、田淵が他球団に指名されてしまった場合には星野を1位で指名すると公言していたが、実際には星野ではなく島野修を指名し、それを聞いた星野が「ホシとシマの間違いじゃないのか」と発言したことも有名である。島野はこの後、選手としては大成出来なかったが、阪急に移籍・引退後日本のプロスポーツにおけるチームマスコットのスーツアクターの先駆者となる。100メートルの日本記録を更新し、1964年東京オリンピックと1968年メキシコシティーオリンピックに出場した陸上選手飯島秀雄が東京の9位で指名されたことでも話題を呼んだ。 1989年もドラフトが豊作となった年として知られる。野茂英雄に史上最多となる8球団の指名が集中し、抽選で近鉄が引き当て入団。その野茂の外れ1位だけでも佐々木主浩(大洋1位)、小宮山悟(ロッテ1位)、西村龍次(ヤクルト1位)、葛西稔(阪神1位)、元木大介(ダイエー1位・入団拒否) といった名前が並び、その他にも与田剛(中日1位)、潮崎哲也(西武1位)、佐々岡真司(広島1位)、岩本勉(日本ハム2位)、古田敦也(ヤクルト2位)、井上一樹(中日2位)、石井浩郎(近鉄3位)、吉岡雄二(巨人3位)、橋本武広(ダイエー3位)、前田智徳(広島4位)、宮地克彦(西武4位)、新庄剛志(阪神5位)、種田仁(中日6位)、浅井樹(広島6位)と、メジャーリーグ経験者4名(野茂・佐々木・新庄・小宮山)、2000本安打達成者2名(古田・前田)、250セーブ達成者1名(佐々木)を輩出するなど1990年代から2000年代にかけて活躍した選手が多数指名されている。また、後にタレントとなるパンチ佐藤(佐藤和弘)もオリックスに1位指名されている。 1996年はアトランタオリンピックが行われた年で、井口忠仁(ダイエー1位)、今岡誠(阪神1位)、谷佳知(オリックス2位)、松中信彦(ダイエー2位・逆指名)ら銀メダル獲得に貢献したメンバーが上位で指名された。他にも小笠原道大(日本ハム3位)、和田一浩(西武4位)、岩村明憲(ヤクルト2位)、森野将彦(中日2位)、小坂誠(ロッテ5位)、柴原洋(ダイエー3位)、礒部公一(近鉄3位)など後にチームの主力打者に成長するメンバーが指名され、特に打者の人材は当たり年のドラフト会議であった。 他にも当たり年として名高いのは1980年度と1988年度生まれで、1998年のドラフトと2006年のドラフトに指名された高校生選手・2002年のドラフトと2010年のドラフトに指名された大学生選手・2004年のドラフトと2012年のドラフトに指名された大卒社会人選手が挙げられる。これについては後に前者は「松坂世代」、後者は「ハンカチ世代」とそれぞれ称されるようになった。松坂世代では名球会入りした選手が出なかったが、ハンカチ世代では2000本安打達成者1名(坂本勇人)を輩出した。 2010年代に入ってからは、2012年のドラフトが該当する。この年のドラフトは、大谷・藤浪世代にあたる高校生選手が多数指名され、大谷翔平(日本ハム1位)、藤浪晋太郎(阪神1位)、鈴木誠也(広島2位)がタイトルを獲得、ハンカチ世代の大卒社会人が少数指名され、増田達至(西武1位)や宮﨑敏郎(DeNA6位)といったタイトル獲得者を輩出したことが大きいとされている。 逆に、1986年のドラフトの様に、かつてはアマチュア選手しか出場できなかったオリンピックの野球日本代表選考に伴う有力選手の指名凍結などの影響で期待値の高い選手が数えるほどしか見当たらず、凶作と言われた年度もある。顕著な例では、2011年と2014年のドラフトにおけるヤクルトが当てはまり、入団してから7年以内に全員が退団・引退するなどの大凶作となった。
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