空力の進化と共に登場したアクティブサスペンション
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「アクティブサスペンション」の記事における「空力の進化と共に登場したアクティブサスペンション」の解説
アクティブサスペンションは、当時コーリン・チャップマンが率いるチーム・ロータスで1981年から開発が始まった。 アクティブサスペンションが求められた理由は、1960年代末にF1で車体上部に固定されたウイング(揚力を発生させる飛行機の翼とは逆向きの車体を路面に押し付ける側の力)でダウンフォースを発生させることがライバルよりも速いラップタイムを記録したり、コーナリング時に遠心力の働きでマシンが横滑りさせずに車体を安定させることにつながると発見されたことから「レーシングカーはダウンフォースが勝利のカギになる」と理解されたことで空力が研究分野として確立された事に始まる。しかしながら、ウイング角度を立ててしまうと空気抵抗も増してしまい、直線速度の低下を招いてしまうことから、いかに「抵抗は減らしダウンフォースだけを高めるにはどうしたら良いか」が課題となった。 そんな折、1976年にデビューしたロータス・77では車体左右のサイドポンツーン下部にブラシ形状のサイドスカートを設けることで車体下面の空気を外部から遮断し、ダウンフォースを路面に吸いつけられるグラウンドエフェクトを得ることが出来ないかという試みが注目された。グラウンドエフェクトならばウイングを立てたのと違い、前面投影面積の増加による空気抵抗の増大なしで強力なダウンフォースを得られるという発想からであった。また、次のマシンのロータス・78ではサイドポンツーン底面を車体後部に向かって路面から離れて跳ね上がった形になり、マシン全体を横から見ると断面形状がウイング型状になるグラウンドエフェクトカーとしてデビュー。さらに翌年型のロータス・79ではマシン底面の気流の通路を遮っていたサスペンションアームやギアボックス、デフなどがすっきりしたデザインに改められ、より強力なダウンフォースを発生させることができるようになっていた。 しかしながら、こうしたグラウンドエフェクトはサイドスカートの働きで外部からの気流の侵入を防いで気流が乱されないようにしなければならず、路面の凹凸でサイドスカートの気密性が失われると突如としてダウンフォースを失い、スピンしたりクラッシュする危険性が伴うこと、さらにサイドスカートが再び気密性を取り戻すことと失うことが断続的に繰り返されるポーポイジングという現象が発生し、車体が不安定になることや激しい上下動が起こり、ドライバーに非常な負担が掛かる傾向があった。
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