種類の概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 08:41 UTC 版)
分類体系はAPG IIによる。 イネ目パイナップル科 Bromeliaceae食虫植物としてはギアナ高地に自生しているブロッキニア属(英語版)2種(Brocchinia reducta、Brocchinia hechtioides)と、アメリカ合衆国フロリダ州から南アメリカ大陸にかけて自生するカトプシス属1種(Catopsis berteroniana)が知られる。 葉が重なって筒状になり、そこに溜まった水に獲物を落として養分を吸収する。 ホシクサ科 Eriocaulaceae食虫植物としてはパエパランツス・ブロメリオイデス(Paepalanthus bromelioides)1種が知られる。南アメリカ大陸に自生する。 放射状に広がり立ち上がった葉の付け根に溜まった水に獲物を落として養分を吸収する。 カタバミ目フクロユキノシタ科 Cephalotaceaeセファロタス・フォリキュラリス1種が知られる。オーストラリア大陸南西部に自生する。花がユキノシタに似ていることからフクロユキノシタという和名がつけられている。 地面近くに小さな壷状の捕虫葉を出し、その中に虫を落として消化吸収する。 シソ目タヌキモ科 Lentibulariaceae全世界に分布しているタヌキモ属、南アメリカ大陸とアフリカ大陸に自生するゲンリセア属、オーストラリア大陸を除く世界中に自生するムシトリスミレ属が知られる。 タヌキモ属は細かい葉を持つ水草のタヌキモ類とさじ状の葉と糸状に地下に伸びる葉を持つミミカキグサ類があり、いずれも袋状の捕虫器官を持ち、獲物を吸い込んで消化吸収する。 ゲンリセア属は地中にY字のらせん状になった捕虫葉をもち、水流によってプランクトン等の小さな獲物をY字の付け根にある入り口に運び、その奥で消化吸収する。 ムシトリスミレ属は背の低い草で、葉や茎に生えている短い腺毛から出る粘液によって獲物を捕らえ、葉の表面にある無柄腺によって消化吸収する。 ツノゴマ科 Martyniaceae食虫植物としてはキバナツノゴマ(イビセラ・ルテア)1種が知られる。南アメリカ大陸に自生する。 葉や茎に腺毛が生えており、粘液を出している。 ビブリス科 Byblidaceaeオーストラリア大陸に自生する。 葉や茎に腺毛が生えていて粘液を出しており、捕虫して消化吸収する。 ツツジ目サラセニア科 Sarraceniaceae北アメリカ大陸東部に自生するサラセニア属、アメリカ合衆国の一部に自生するダーリングトニア属、南アメリカ大陸のギアナ高地に自生するヘリアンフォラ属が知られる草本で、地面から葉をのばす。 いずれも葉が筒状になっており、奥に溜まった水に獲物を誘い込んで落とし、消化吸収する。 ロリドゥラ科 Roridulanceaeアフリカ大陸南端に自生する。 強い粘液を出して捕虫をしているが、消化酵素は出していないので食虫植物に含めない説もある。虫は根元に落ちた後に分解して植物の養分になるといわれていたが、共生するカメムシが捕えられた虫を食い、分泌物が植物に吸収されることが明らかになった。 ナデシコ目ウツボカズラ科 Nepenthaceaeウツボカズラ属のみ。 東南アジアからマダガスカル島にかけての熱帯雨林に自生するつる植物で、葉先のつるに捕虫葉をつける。 壷状になった捕虫葉の中には水が溜まっており、臭いで獲物を誘い込んで壷に落とし、消化酵素や細菌によって消化、吸収する。 長さが40cmを越える巨大な捕虫袋をつける種もあり、愛好者らによって多くの交配種が作られている。 ディオンコフィルム科 Dioncophyllaceae食虫植物としてはトリフィオフィルム・ペルタトゥム(Triphyophyllum peltatum)1種が知られる。アフリカ大陸西部に自生する。 雨季の期間のみ腺毛のある葉を出して捕虫し、消化吸収を行う。 ドロソフィルム科 Drosophyllaceae1科1属1種でDrosophyllum lusitanicumがイベリア半島と対岸のモロッコに自生し、繊毛から粘液を出して捕虫・消化吸収を行なう。 モウセンゴケ科 Droseraceae全世界に自生するモウセンゴケ属の他、アメリカ合衆国西海岸の一部に自生するハエトリグサ属、ユーラシア大陸、アフリカ大陸、オーストラリア大陸に点在するムジナモ属が知られる。モウセンゴケ属の半数近くはオーストラリア大陸南西端に集中している。 モウセンゴケ属とは腺毛から粘液を出して捕虫し、消化吸収する。 ハエトリグサとムジナモは二枚貝のような捕虫葉で獲物をはさみ込み、消化吸収する。 オモダカ目チシマゼキショウ科イワショウブ属 TrianthaTriantha occidentalis(英語版) 茎は粘着性物質で覆われ、消化酵素ホスファターゼを分泌する繊毛を持つ。対象は花粉を媒介する蜂ではなく小さなアリやハエなどを対象とする。 この他にも食虫植物もしくはその進化途中ではないかと指摘される植物種は数多く存在する(例:ナズナ)。パイナップル科プヤ属のプヤ・ライモンディやプヤ・チレンシスの棘は鳥類やリャマなどを捕食するためのものとする説がある。 コケ植物ではColura zoophagaが初めて食虫性として確認された。
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