研究者として: 研究業績とは? わかりやすく解説

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研究者として: 研究業績

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/08 23:38 UTC 版)

宮崎俊一」の記事における「研究者として: 研究業績」の解説

発生生物学生理学的研究第一人者であり、特に哺乳動物卵細胞カルシウムイオン(Ca)の増加反応受精現象引き金になる機構解明した研究者である。40年に及ぶ研究回顧したパーソナルエッセイは、思わぬ発見後年想像外に発展し広範囲普遍化していく実体験記されている。 1973年東大研究施設神経や筋に起こる電気興奮性(活動電位)の胚発生における分化研究中、活動電位がすでに卵細胞で起こることをホヤ・ヒトデ卵で偶然発見して学位取得留学中卵細胞興奮性解析している。帰国自治医大哺乳動物(ハムスター)卵の体外受精時の電気現象初め記録1981年に、これが卵細胞Ca増加反応反映する現象であることが判明し重要な研究として注目されるその後開発されCa画像解析法により、Ca増加卵細胞精子結合部位から起こり始め、数秒で細胞全体伝播し(Ca波)、持続十数秒のCa増加反応数時間繰り返し起こる(Caオシレーション)ことを1986年発見東京女子医大転任後の1992年Ca増加イノシトール3リン酸レセプター(IP3R)を介して細胞内小胞体から細胞質へのCa遊離によることを明らかにした。この発見により、IP3/Caは重要な細胞内情報伝達物質であり、細胞生物学普遍的な意味を持つ研究となる。この後東京女子医大第二生理学教室生理学研究所細胞内代謝部門受精/Ca研究グループ組織され高速共焦点レーザー顕微鏡用いてCa動態詳細に解析された。 受精時のIP3Rを介するCa増加反応は、1990年代国内外調べられた全動物種普遍的に観察され未受精卵から受精卵への活性化引き金になることが確認されるに至る。哺乳類ではヒト卵を含め共通してCaオシレーション起り、それは精子細胞質にある卵活性化因子が卵内に送り込まれ誘発されることが明らかにされた。2000年代入って精子因子有力な候補IP3産生する酵素ホスホリパーゼCゼータ(PLCζ)であることが報告され女子医大グループはこれを実証する分子生物学研究重ね多く論文発表している。これらの研究および論文により、卵活性化因子産婦人科畜産領域での応用につながる可能性があることが注目された。順天堂大学産婦人科との共同実験では、受精できない未成熟な1個の円形精子細胞加えて成熟精子抽出物マウス卵内へ注入すると、Caオシレーションとともに受精がおこり、2細胞期の胚を母体移植して正常な子を出生させた。総合して宮崎グループは、精子・卵結合から卵活性化に至る分子メカニズムストーリーとして語れ研究行なったと言える女子医大生理学教室では卵細胞以外のさまざまな細胞Ca増加反応細胞間作用(例え精子が卵表層透明体結合した際の精子先体反応ナチュラルキラー細胞標的細胞を殺す際のアポトーシス誘発)の研究なされた40年に及ぶ研究活動教室刊行の「宮崎俊一教授退任記念誌」(2007年)に収録されている。

※この「研究者として: 研究業績」の解説は、「宮崎俊一」の解説の一部です。
「研究者として: 研究業績」を含む「宮崎俊一」の記事については、「宮崎俊一」の概要を参照ください。

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