疑義が持たれた報道・記事など
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/10 08:37 UTC 版)
「日本ビジネスプレス」の記事における「疑義が持たれた報道・記事など」の解説
2020年アメリカ合衆国大統領選挙における郵便投票不正問題 2020年アメリカ合衆国大統領選挙で敗北したドナルド・トランプ大統領(当時)が持ち出した主張を取り上げた。2020年12月23日にも「「選挙不正」徹底調査したナヴァロ報告書の説得力」という記事を掲載し、「ナヴァロ報告書は最も詳細かつ具体的な内容だといえる。」と報道した。しかし、トランプ側の訴訟は、裁判所に棄却されたり、自ら取り下げたりが続き、2020年12月11日には一部法廷闘争の敗北が決定付けられていた。そもそもこの問題の根源はパンデミックとその対策を大義名分に、スイングステート(接戦州)における無制限の郵便投票を許可した選挙直前の緩すぎる州ごとの法改正に問題があったと言われている。問題が指摘された州の法改正は無効であったと2021年以降に各州最高裁で認定されている。これに対して無制限の郵便投票を継続したいバイデン政権は抵抗しているが連邦最高裁はそれを違憲であると認定している。 新型コロナウイルス感染症の空気感染 3月14日に「ついに証明された、新型コロナは空気感染する」という記事を掲載した。記事内で「研究が進み、新型コロナウイルスは空気感染することが分かってきた」と説明し、その根拠として権威ある米医学雑誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』に掲載されたとする論文を示した。また、空気感染しない見解を発表していた日本政府にも批判的であった。しかし、実際には論文は「メドアーカイブ」というサイトに掲載されただけの査読前論文であった。さらに、「空気感染」でもなく、厚労省も否定していない「エアロゾル感染」だった。多くの指摘を受けたため、記事を削除し、謝罪文を掲載した。 新型コロナウイルスの研究所流出説 「新型肺炎、米メディアが報じた「研究所が発生源」説」や、「「新型ウイルスはバイオ兵器?」の噂が囁かれる背景」といった、新型コロナウイルスが武漢ウイルス研究所から流出したという記事を複数本掲載している。しかし、疑念を主張しているアメリカが、国の情報機関が連携する「インテリジェンス・コミュニティー」において結論を出すことができていない。ただし流出した政府文書によると、ウイルスの自然起源説に関する一般論を形成する上で重要な役割を果たした4人の著名な科学者はファウチ博士の運営する国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)から大幅な助成金の増額を受けていたことが判明している。2022年においてもこの件についての最終的な結論は出ていない。 地球温暖化の否定 2020年1月6日に、「南極もシロクマも異常なし 温暖化ホラー話の大嘘」と地球温暖化を否定する記事を掲載した。地球温暖化に否定的なジャーナリストの著書を抜粋・再編集したもので、南極の氷が減少していないことを根拠にしている。実際、南極の長期的な降雪量増加は一部の氷量増加に寄与しており、2015年にNASAが発表した、南極は「海面上昇の原因にならず」「氷河の総質量も、減るどころかむしろ増えている」とする論文を根拠の1つにしている。しかし、NASAの論文は大きな物議を醸し、根拠への疑問や、異なる証拠や有効な調査が多すぎることが示されている。さらに、この論文が正確であっても海面上昇していることは事実であり、地球温暖化の否定にはならない。論文内でも、著者は研究結果が地球温暖化を否定するものではないとしており、引用はミスリードのためのチェリーピッキングである。
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