生涯と俳優業とは? わかりやすく解説

生涯と俳優業

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/02 02:55 UTC 版)

リチャード・バーベッジ」の記事における「生涯と俳優業」の解説

バーベッジ貧し家庭生まれ20代前半には俳優として名をはせていたことが知られているが、初期舞台活動に関する詳細明らかにする文献はあまり残されていないレスター伯一座在籍していたのではないかともいわれるが、明白な証拠存在しない1590年には海軍大臣一座で、1592年にはストレインジ卿一座で、1593年にはペンブローク伯一座活動していたと推測されているが、シェイクスピアと同じ劇団宮内大臣一座1603年新国ジェームズ1世即位にともない国王一座へと改称)に所属する看板俳優であったことが最もよく知られている。バーベッジ多くシェイクスピア作品初演時に主役務めハムレットオセローリチャード三世リア王などを演じたシェイクスピア作品のみならずベン・ジョンソン作『ヴォルポーネ』 ("Volpone")、『錬金術師』 ("The Alchemist") 、ジョン・マーストン作『不満家』 ("The Malcontent") 、ジョン・ウェブスター作『マルフィ公爵夫人』 ("The Duchess of Malfi") 、ボーモント&フレッチャー作『乙女悲劇』 ("The Maid's Tragedy") など、同時代多く作家による戯曲主演俳優として舞台立った俳優としてのバーベッジ才能力量は、バーベッジ演じた役の圧倒的な質と量によって窺い知ることができる。1580年代から1610年代にかけて数百上る作品数千上る登場人物生み出されているが、1人登場人物セリフ800行を超える大作20前後にすぎないイギリス俳優としてはじめこうした大役演じきる実力備えたのは、クリストファー・マーロウの『タンバレイン大王』 ("Tamburlaine") や『マルタ島のユダヤ人』 ("The Jew of Malta") などに主演したエドワード・アレンである。しかし、こうした大役およそ20のうち、実に13バーベッジによって演じられのである1597年2月に父ジェームズ没したのち、バーベッジと兄カスバートロンドン2つ劇場投資した一家財産を守るため、訴訟によってこれを押さえた。しかし、ブラックフライヤーズ座の他に所有していた、たんにシアター座呼ばれていたもう一つ劇場ロンドン初の本格的劇場であるという矜持から The Theatre名づけた)は、賃貸契約に関して土地所有者揉めたために解体せざるをえなくなったシアター座その他の建築資材テムズ川南側運ばれ新し劇場として組み立てなおされた。これがグローブ座である。バーベッジ兄弟演劇仕事においても私生活においても、生涯にわたって緊密な関係を保ちグローブ座に近いショーディッチハリウェル街に隣り合って居を構えたバーベッジは妻ウィニフレッドとのあいだに少なくとも8人の子供をもうけているが、バーベッジ死後ウィニフレッド国王一座俳優リチャード・ロビンソンと再婚している。 「チャンドス・ポートレイト」 (Chandos portrait) の名で知られる有名なシェイクスピア肖像画は、実際にバーベッジ描いたものなのではないか考える者もいる。その一方でバーベッジ絵画強い関心抱いていたことから、むしろバーベッジはこの肖像画作者であったかもしれないという説もある。ダリッジ・カレッジには、この肖像画どことなく似た様式をした女性頭像があり、バーベッジ作品であると長らく信じられていた。ただし、1987年にはおそらくバーベッジではなく北部イタリア画家によって描かれたものであろうということ明らかになっている。 アレン国王一座同僚シェイクスピア異なりバーベッジ生涯引退せず、1619年死去するまで舞台に立ちつづけたアレンシェイクスピアのようなビジネス才覚がなかったためもある。バーベッジ死後に「300ポンド以上」に相当する不動産を妻に遺したといわれている。これはまずまず財産であるが、アレン築きあげた大きな財産よりはるかに少なくシェイクスピア1616年亡くなったときに遺した資産比べて少ないものであるバーベッジグローブ座近くにあるセント・レナード教会埋葬された。墓石失われたが、後世になってバーベッジ兄弟記念碑設立された。名も知れぬ詩人バーベッジのために『1618年3月13日四旬節土曜日世を去った高名な俳優リチャード・バーベッジの死を悼む哀歌』 ("A Funerall Elegye on the Death of the famous Actor Richard Burbedg who died on Saturday in Lent the 13 of March 1618") なる詩を書きハムレットリア王他、彼が演じることによって命を吹き込まれすばらし登場人物たちが永遠に死んでしまったことを嘆いている。しかし、彼の死を悼んで書かれ多く碑文の中で最も心を打つものは、おそらく最も短いものだろう。 ——「バーベッジ退場」。

※この「生涯と俳優業」の解説は、「リチャード・バーベッジ」の解説の一部です。
「生涯と俳優業」を含む「リチャード・バーベッジ」の記事については、「リチャード・バーベッジ」の概要を参照ください。

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