無性生殖器官
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胞子嚢柄は径19-33μm、基質面から直接に出て直立し、先端は未熟時には俯き、成熟時には上を向く。通常は枝分かれしないが、希に分枝を出し、いずれにせよ先端に胞子嚢をつける。胞子嚢はほぼ球形で径45-170μm、幼時には黄褐色から褐色で、成熟すると暗褐色から黒になり、多くの胞子を含む。胞子嚢の壁は上部で表面にはガラス質に見える小さな棘がある。これは酸化カルシウムを含んでいる。この壁は成熟すると縦方向にほぼ真っ二つに割れ、それによって胞子を放出する。胞子は粘液に包まれて出てくる。胞子嚢の中央にある柱軸は長めの洋なし型、長めの卵形、長めの円錐形から円柱状でもっとも幅広いところで36-81μm、表面は滑らかで基部には多少とも襟がある。胞子嚢胞子は球形から楕円形など、多少不規則な形をとり、大きさは7.6-11.4×6.4-8.9μm。胞子嚢胞子の表面にはかすかな縞模様があるとの報告もあるが、ほぼ滑らか。胞子の両端には2-3本、最大7本の透明な毛状の付属物があり、その長さは24μmに達する。 菌糸のあちこちに厚膜胞子を作る。厚膜胞子は球形や卵形などやや不規則な形をしており、淡褐色で表面は滑らか、大きさは11-32μm、あるいは15-29×10-16μm。菌糸に介在するように作られ、単独に生じるが、時に2個、あるいはそれ以上が連なって形成される。
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無性生殖器官
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/21 20:22 UTC 版)
「ディコトモクラディウム」の記事における「無性生殖器官」の解説
無性生殖は単胞子性の小胞子嚢による。胞子形成柄は直立するか、斜めに立ち上がり、高さ1-2cmに達し、その径は5-8㎛ほど。透明から明るい黄色を呈し、当初は無隔壁だが後に隔壁を不規則に生じる。柄は単一か、あるいは不規則に仮軸状の分岐を見せる。細胞壁は厚くて表面に細かな凹凸がある。この柄の上に胞子形成部分を2-18個ほどつける。この部分は柄の上にある程度一定の間隔を置いて単独に、あるいは対をなし、あるいは輪生状に生じる。それらは横枝として出た後に短い間隔で二叉分枝を繰り返し、25-45×4-8.5㎛の横枝が混み合って胞子形成部を作り上げる。胞子形成部は成熟時には灰色から茶褐色になり、その概形は不規則な塊状からやや球形になり、その径は160-250㎛に達する。それを構成する菌糸は分枝を繰り返し、その枝の多くは先端が伸張して不実の棘状突起となり、先端近くの数個の横枝だけが胞子形成枝となる。不実の棘は長さ6-32㎛、基部の太さが1-3㎛。 胞子形成部の枝の最後から二番目の分枝には普通は1つの隔壁があり、最後の分枝は径が1-3×3㎛で、その先端が膨らんで球形からやや角張った膨らみとなって表面に突起を並べた頂嚢となり、その径は4-6㎛。表面には柄でつながった小胞子嚢が6-8個ほど生じる。小胞子嚢の柄は長さ1-2㎛で先端に向かって細まっている。小胞子嚢は卵形から楕円形で長さ5-6㎛、幅3.5-4.5㎛で無色からやや黄色く色づく。表面の壁は薄くて小さな棘状突起が並んでいる。柱軸は凹んでおり、径2㎛。胞子嚢胞子は小胞子嚢と大きさ、形共にほぼ同じで、表面の壁は薄くて滑らかとなっている。 胞子形成部の枝の一部 頂嚢と小胞子嚢の発達・前半 同・後半
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無性生殖器官
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/20 22:42 UTC 版)
分節胞子嚢柄の分枝には種によって若干の違いがあり、例えば第一、第二の分枝間が狭くて一見では四本の枝が同時に分かれて見える例もあり、それらは種の区分点の一つにも認められる。また、この柄に縦筋模様が出るものが多い。これは細胞壁の部分的な肥厚によるもので、主軸や枝分かれの基部に出ることが多く、多くは柄の時間経過によって次第にはっきり出るようになる。 柄の先端での分節胞子嚢の様子にはいくつかの型がある。多くのものではその先端が膨らんで特有の頂端細胞(Head cell)を形成し、その表面に分節胞子嚢が生じる。胞子が成熟した場合にはこの細胞も脱落するものが多いが、脱落せずに残る種もある。脱落した場合にも、この細胞から発芽することはないようである。なお、頂端細胞の上の分節胞子嚢の配置にも種による特徴があり、たとえばその表面にまんべんなく分布するもの、いくつかの隆起があって、それぞれの隆起の上に配置するものなどがある。 全く頂端細胞を欠く種もある。P.indica は分枝の先が小枝状に何度か分かれ、それがすべて分節して胞子になる。もっともこの基部の一胞子を頂端細胞と見なし、頂端細胞が胞子になっているとの判断もある。P. benjamini では分枝した枝先が細かく分かれ、それぞれの先端に単胞子の分節胞子嚢がつく。 胞子嚢はたいていが棒状で形成され、次第に内部に分節を生じてそれぞれが胞子となる。また、P. lepidula のようにまず下側の胞子の形ができて、その上に出芽するように次の胞子の形ができ、その後に胞子の輪郭ができあがる例もある。単胞子の分節胞子嚢をつける例もある。胞子嚢内の胞子の数は種ごとの特徴と認められている。胞子が成熟後、一つの頂端細胞の上に生じた胞子は丸まる一つの水滴に収まって胞子滴を生じるもの、バラバラになって散布されるものがある。 なお、これらの胞子形成の形質はハリサシカビ属に見られるこの部分の多様性と共通する部分もあるが、異なる点もある。例えばハリサシカビでは脱落性の頂嚢は見られないし、逆にいっさい頂嚢を欠くものもない。
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