培養所見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 10:01 UTC 版)
ジャガイモ=ブドウ糖培地や麦芽エキス培地など、キノコ類の培養に際して常用される培地上でよく育つ。培養された菌糸体の肉眼的所見は、培地の種類によって多少異なるが、おおむね白色を呈し、しばしば樹脂のような香りを発し、白い絹糸状の気中菌糸(きちゅうきんし aerial hyphae:培地表面から空中へと立ち上がって毛状をなす菌糸)を形成することがある。白色腐朽菌の特徴である細胞外オキシダーゼの産生能力はない。ある程度培養期間が長くなると、しばしば菌糸の先端部あるいは中途の細胞が肥大し、厚壁胞子を形成する。厚壁胞子はレモン形、西洋ナシ形、楕円形などを呈し、無色透明である。厚壁胞子が、ハナビラタケの繁殖(あるいは樹木に対する感染)にどのように関与しているかについては、まだ十分な研究がなされていない。なお、厳密な測定試験によるものではないが、30℃前後では菌糸が死滅するという。
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培養所見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/27 08:11 UTC 版)
分生子は、ジャガイモ=ブドウ糖寒天培地(PDA)上において24-36時間で発芽し始める。PDA培地上での生育は緩慢(暗黒下・22℃で、10日経過後のコロニーは径5 mm 程度)で、コロニーの裏面はクリーム白色である。培養開始から一週間程度で、コロニーは分生子を形成し始め、培養下で形成された分生子は大きさ 3.8-6.4×1.1-1.9 μmであったという。また、2%のブドウ糖と酵母エキスとを含む培地15 mlを含浸させた滅菌済みポリウレタンフォーム上での培養試験例においては、カメムシタケやツクツクボウシタケなどの他の冬虫夏草類よりも迅速な生長を示し、コロニーの径は接種後6日めにおいて8cm(カメムシタケやツクツクボウシタケでは2 cm程度)に達し、80-90日めには子実体をも形成したとされている。 キシノウエトタテグモを含めた23科51種の日本産クモ類を種類ごとにすりつぶし、2%素寒天培地10 ml に対しクモ一匹の割合で懸濁させ、クモタケの分生子の懸濁液を接種して培養した実験では、クモの種類および個体長に関わりなく、すべての培地上でクモタケの菌糸生長および分生子形成が認められたが、野外で見出されるような典型的な子実体が形成された例はなかったという。また、菌の接種から分生子形成が肉眼的に確認できるようになるまでの日数はクモの種類によって異なり、サガオニグモ(Zilla astridae)を破砕して培地に添加した場合で8日、イタチグモ(Itatsina praticola)の場合で20日を要し、キシノウエトタテグモを用いた場合には10日であったという一例が報告されている。 PGO培地(ブドウ糖2%、ポリペプトン0.4%、酵母エキス0.1%、KH2PO4 0.046%、K2HPO4 0.1%、ペクチンおよびアラビアゴム各 2%、オリーブ油1%からなる:pH 5.5)を用いて培養すれば、ケトエステルや芳香族ケトアミドを還元して、対応するアルコールに高い効率で変換し、またグリシンやアラニンなどのアミノ酸の付加反応も行うとされ、生体触媒としての応用に興味が持たれている。
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培養所見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/01 02:22 UTC 版)
外菌根菌培養で一般的な改変メリン=ノルクランス培地I(ブドウ糖 10 g, 麦芽エキス 3 g, (NH4)2 HPO4 250 mg, CaCl2 50 mg, KH2PO4 0.5 g, MgSO4•7H2O 150 mg, NaCl 25 mg, 1% FeCl3 1.2 mL, チアミン塩酸塩 0.1 mg, 寒天 15 g/1 L)または改変メリン=ノルクランス培地II(ブドウ糖 10 g, KNO3 250 mg, CaCl2 50 mg, KH2PO4 0.5 g, MgSO4•7H2O 150 mg, 塩化ナトリウム 25 mg, 1% FeCl3 1.2 mL/1 L)を用い、子実体の内部組織を分離源として培養することができるが、培地上での子実体形成や無性生殖器官の形成はみられない。 広く担子菌培養に用いられるジャガイモ=ブドウ糖寒天培地(PDA培地: pH=4-7)でも生育する。培養至適温度は20-25 ℃であるという。
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