ウラベニガサ節
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/10/17 15:50 UTC 版)
Pluteus cervinus (Schaeff.) P. Kummer ウラベニガサ-本属の基準種である。まれに、子実体全体がほとんど白色のものが見出される 。 Pluteus atromarginatus (Konrad) Kühner クロフチシカタケ-子実体の肉眼的所見においてフチドリベニヒダタケに非常に類似しており、しばしば混同されているが、側シスチジアの先端に碇状ないし鈎状に反転した突起を備えることや、かさの表皮が、その表面に平行に匍匐した菌糸で構成されていることなどにおいて明瞭に区別される。 Pluteus brunneoradiatus Bonnard カサスジウラベニガサ-ウラベニガサに酷似するが、縁シスチジアの基部やひだの実質部の菌糸上に、しばしばかすがい連結がみられる点で異なる。 Pluteus daidoi S. Ito & S. Imai ダイドウベニヒダタケ-小笠原からただ一度採集された種類で、それ以降の再発見の記録がない。かさはクリーム色を帯び、その表皮は匍匐性菌糸からなる。側シスチジアには、先端に碇状に反転した突起を持つ型と、先端が鋭く尖った型との二種類がある。 Pluteus hongoi Sing.(和名なし)-ウラベニガサに似るが、かさがより暗色(暗褐色)であり、さらに粘性を持つ(表皮組織がゼラチン化する)点で異なる。京都府(京都市大文字山)で採集された標本をタイプとして記載された。 Pluteus petasatus (Fr.) Gillet クサミノシカタケ-この和名をPluteus patricius (Schulzer) Sacc.に当てる意見もあるが、後者の名をPluteus petasatus の異名とみなす見解が有力である。これらの異同については、さらに培養所見の比較や交配試験の結果確認あるいは分子系統学的解析などを行う必要があるとされる。 Pluteus pellitus (Pers.) P. Kummer ハナヨメタケ-クサミノシカタケによく似て、子実体全体が白っぽいが、前者ではかさの中央部は多少とも褐色を帯びるのに対し、本種では全面が白色である。また、縁シスチジアの所見においても異なる。 Pluteus magnus McClatchie トゲウラベニガサ-ウラベニガサ属のきのことしてはかなり丈夫でがっしりした子実体を形成し、側シスチジアは鋭く尖っており、縁シスチジアには尖ったタイプとこん棒形をなすタイプとの二型を有する点が大きな特徴である。日本では、千葉県下長生郡長柄町において、マイタケの栽培に用いられた培地廃材から発生した記録がある。 Pluteus horridelamellus S. Imai フサベニヒダタケ-戦前に小笠原から記載された種であるが、原記載以降、再度の採集記録がない。側・縁シスチジアは先端部が碇状に反転したウラベニガサ型であるが、ともに厚壁であるのが特異的である。また、かさにも厚い壁を備えたシスチジアをまじえ、柄の表面にも同様のシスチジアがある。これらの所見にもとづき、Section Horridus フサベニヒダタケ節を独立させる意見がある。 Pluteus salicinus (Pers.) P. Kummer var. salicinus ビロードベニヒダタケ-かさは淡灰色でしばしば淡い青緑色を帯び、ほとんど平滑あるいは放射状に走る微細な繊維紋をこうむり、通常は周縁部に条線を生じない。柄は白色であるが、その基部はしばしば灰青色ないし灰緑色を帯びる点が著しい特徴である。柄の基部が青みを帯びない変種は var. achloeus Sing.、かさの周縁部に条線を有する変種は var. americanus Banerjee & Sundb. として区別されているが、ともに日本からは記録されていない。
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