胞子散布に関して
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/29 22:48 UTC 版)
「ティージェムカビ」の記事における「胞子散布に関して」の解説
無性生殖器官である胞子形成柄は成熟すると胞子形成部の直下で切り落とされる。これは隔壁とは無関係な細胞外面を一巻きする線で裂けて行われる。このために胞子形成柄が基部から外れ、コロニーの上にこれらが絡まり合った綿クズの塊のようなものが形成され、これはこの科の他の属では見られないものである。 Benjamin & Zoberi(1963)は様々なケカビ類の胞子散布を調べる中、本属の2種についても調べている。そこで本属の胞子柄の上に長く伸びた菌糸の部分が細い針や、あるいは髪の毛などで触れるとそこにくっついてくることを発見した。この菌がネズミの糞に見られるものであることから、彼はこの菌のこのような仕組みは、おそらく自然界ではネズミのひげに張り付き、それをネズミが掃除するときにそれが口に入り、糞に出て生息場所を確保することになるのではないかと推測している。
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胞子散布に関して
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/03 22:46 UTC 版)
「スピロダクティロン」の記事における「胞子散布に関して」の解説
この種の分節胞子に見られる特徴として、本種を含むキクセラ科のもの、例えばキックセラ Kickxella やブラシカビ Coemansia では、スポロクラディア上に形成された分節胞子は成熟の段階で形成される粘液球の中に入る(粘性胞子)のに対して、本種ではそれが見られないことがあげられる。つまり成熟した胞子(分節胞子嚢)は個々にそのまま空中にある(乾性胞子)。これはこの種が記載された当時ではこの科で唯一のものとされ、Kurihara(2002)では本種ともう1属、Spiromyces がそうであることがあげられている。いずれにしてもこの類では例外的であることがわかる。 Ingold & Zoberi(1963)はケカビ目(当時の把握ではキクセラ類も含まれていた)のカビの胞子分散に関して論じた中で本種のことにも触れている。一般的にこの類の乾性胞子は風によって散布されるとことを実験的に示した中で、本種に関しては上記のBenjamin(1959)の記載に基づいてまず本種が乾性の胞子を形成すること、しかしその胞子がらせんに巻いた胞子嚢柄の内側に形成されることからこの形が通常の空気による散布には全く不向きであることを指摘し、またその部分の表面に細かな棘があること、糞生菌と思われることを含め、おそらくネズミの毛などにこれが一時的に絡み、運ばれやすくなっているのだろうとの推測を示している。
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