流量と水質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/04 15:17 UTC 版)
セントジョンズ川の全長がほとんど平坦なパムリコ・テラスの中にあり、その傾きは1マイルあたり0.8インチ (12.7 mm/km) となっている。北アメリカ大陸でも最も平たい川である。下流域は大洋に近く、その上下は潮汐や塩分に影響を与える。潮汐は通常南はジョージ湖まで水位に影響する。強風にあったときは、161マイル (259 km) 離れたモンロー湖までその影響が及び、ハーニー湖まで達したこともあった。通常の潮汐で川の水位はジャクソンビルで約1.2フィート (0.37 m) 上がり、川幅が広がるオレンジパークでは0.7フィート (0.21 m) ほどだが、川幅が狭まるパラトカではまた1.2フィート (0.37 m) 上がる。潮汐効果の結果として、下流における排水量はしばしば不正確なものとなる。しかし、オクラワハ川とジャクソンビル中心部との間の推計流量は毎秒4,000から8,300立法フィート (110 to 240 m3/s) となる。メイポート河口での潮汐によらない排水量は平均毎秒15,000立方フィート (420 m3/s) だが、潮汐の影響を入れると毎秒50,000立方フィート (1,400 m3/s) を超え、豪雨と組み合わされた場合は毎秒150,000立方フィート (4,200 m3/s) となる。上流では、ポインセット湖近くでの毎秒1,030立方フィート (29 m3/s) から、ディランド近くでの毎秒2,850立方フィート (81 m3/s) まで変化する。多くの泉、イーコンロックハッチー川、ウェキバ川の合流によって、ハーニー湖とディランドの間の年間平均流量は940立方フィート (27 m3/s) だけ増え、セントジョンズ川の年間平均流量の増加分を表している。 セントジョンズ川の河口から中流、上流と距離が遠くなると、川の塩分濃度も下がっていく。海水の塩分は35 ppt以上であり、淡水の塩分は2 ppt未満である。この間の水は背水として特徴付けられる。ジャクソンビル中心部近くで集められた水の塩分濃度は11.40 pptである。さらに南、ジャクソンビル南側とオレンジパークを繋ぐバックマン橋では、2.9 ppt、グリーンコーブスプリングスに近いシャンズ橋ではさらに 0.81 pptと下がる。 淡水の溶存酸素量は、植物や動物の生命の健康度を示す指標である。大気中から入る酸素と、水中植物の光合成で生まれる酸素があり、水圧と水温に影響される。有機物が急速に分解すると、川水の溶存酸素量が減り、下水処理水が溢れたことで人工的に栄養分が加えられたり、農薬を使った畑から排水されたときも同様である。アメリカ合衆国環境保護庁とフロリダ州は、溶存酸素量 5 mg/l以上を推奨している。セントジョンズ川あるいはその支流の数か所で、1990年代にはこの最少値以下が報告されていた。ウェキバ川の合流点、クリスマスの町のセントジョンズ川などである。2000年代初期、ブルースプリングとブラックウォーター・クリークでも同様だった。溶存酸素量が低いレベルのままだと水の華を生む可能性があり、それによって溶存酸素量をさらに下げることになる。 フロリダ州の背水の全てと同様に、セントジョンズ川の大半の色は腐葉や腐敗する水中植物の中のタンニンによって黒である。一方泉から湧き出る水は大変清澄であり、川底の深さが数10フィートであっても透明度が高い。
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