流量と水量の収支
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 00:24 UTC 版)
オビドスにおけるアマゾン川の流量(m3/s)(1928年から1996年の69年間の平均データ) アマゾン川の流量は何度も計測・試算されているが、資料によってまちまちである。ある資料によると175,000トン/秒と計算されたが、この流量は世界第2位にあるザイール川の4-5倍に相当し、全世界の河川流量の15-18%を占める。この流量は季節によって変化し、流域の降雨量変化をやや遅れて追うように推移する。河口から537kmさかのぼったパラ州のオビドスでの計測によると、毎年11月頃から水位上昇が始まり、翌5-6月に最高位に達する。ここから低下を始めた水位は10-11月に最低となる。したがって上昇には7-8ヶ月、下降には4-5ヶ月というサイクルを持つ。この変化による水面の高低差は約5-6mとなる。 アマゾン川は支流だけでも規模が巨大で、最大の支流ネグロ川の年平均流量はマナウスで毎秒28,400 t、マデイラ川の年平均流量は合流点で毎秒31,200 tある。タバチョス川は毎秒13,500 t、シングー川は毎秒9,700 t、トカンチンス川の年平均流量は 11,800 tある。 アマゾン川流域の年間平均降雨量は2300 mm 前後であり、流域面積750万 km2 に一様に降るとすると、総量は15兆トンになる。一方、河口流量を175,000トン/秒とすると年間5.5兆トンである。この差異から、アマゾン川流域で蒸発・蒸散される水は年間9.5兆トン、単位面積で割ると約1460mmとなる。アマゾン川流域の蒸発・蒸散量試算はこの他にも様々あり、1000-1905mmの間と言われる。ブラジル国立アマゾン研究所のシミュレーションによると、流域降雨の50%は川や湖水からの蒸発に土壌や植物等から蒸散したアマゾン川由来の水が蒸発したもので、残り50%は大洋の蒸発水である。
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