泉佐野駅 - 和歌山市駅間
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 14:20 UTC 版)
「南海本線」の記事における「泉佐野駅 - 和歌山市駅間」の解説
泉佐野駅を出ると、空港線としばらく線路を共用するが、左にカーブするとすぐに空港線は右側に別れる。高々架のJR関西空港線・関西空港自動車道、地上を通る国道481号と立体交差すると線路は地上に下り、住ノ江検車区羽倉崎検車支区を併設する羽倉崎駅。ここからはラッシュ時を中心に本数が減少する。左側には同検車支区、右側にはかつての巨大な紡績工場(阪本紡績)の跡地に建つ高層マンション群や商業地を見ながら田尻町に入る。府道63号泉佐野岩出線と重複する府道204号堺阪南線(旧国道26号)の跨線橋をくぐると吉見ノ里駅。樫井川を渡り泉南市に入ると岡田浦駅。ここから樽井駅までの区間はかつて右側の車窓から大阪湾を間近で見ることができたが、現在は埋め立てが進み、りんくうタウンが造成され、車窓からはイオンモールりんくう泉南などの商業施設やいくつかの工場などが見えるようになっている。2か所の道路橋をくぐり、樽井駅を過ぎて府道63号泉佐野岩出線のバイパスの跨線橋をくぐってから男里川を渡ると阪南市に入り、同市の中心駅で特急サザンも停車する尾崎駅に着く。 尾崎を出て左右にカーブし、鳥取ノ荘駅を過ぎると右側の車窓に大阪湾の海岸線が間近に迫り、遠くには関西国際空港や空港連絡橋も望むことができる。また左側には府道752号和歌山阪南線(旧国道26号)も並走する。一旦海岸線から離れ、阪南スカイタウンなど周辺の住宅開発がめざましい箱作駅に至る。ここから先はカーブの連続区間となり、優等列車も若干速度を落として運転を行う。再び海岸線が見え始め、箱作海水浴場(ぴちぴちビーチ)やせんなん里海公園が連なる。途中、階段を伴った空き地が線路両脇にあるが、これはかつて計画されていた箱の浦駅の建設を途中で断念した名残である。再び海岸線から離れると線路は岬町に入り、周辺に古墳が点在する淡輪駅を過ぎると、右前方に2020年3月で閉園した遊園地「みさき公園」や長松自然海岸を擁する大阪湾の海岸線が見え始め、程なく同公園の最寄り駅であり、また多奈川線の乗り換え駅でもあるみさき公園駅に着く。 みさき公園駅は、盛土上にホームをもつ構造となっており、その直下を府道752号和歌山阪南線がアンダークロスする。多奈川線は同駅を出た後しばらく右側を並走するが、やがて同線が大きく右に別れると同時に南海本線も大きく左にカーブをする。ここからは雰囲気が一変して山間の区間となって駅間距離も長くなり、府道752号和歌山阪南線がすぐ右側を、やや遅れて第二阪和国道バイパス(国道26号)もすぐ左側を並走するようになる。途中、右側の車窓から煉瓦造の建造物(深日変電所)が見えるが、この場所にはかつて深日駅があった(1944年休止、1958年廃止。現在もホームの跡が残る)。いくつかのカーブを経て孝子駅を過ぎると第二阪和国道バイパスが左へ別れていき、線路はいよいよ上りの急勾配区間に差し掛かる。孝子峠を越える第一孝子越隧道(孝子トンネル)内で大阪府と和歌山県の府県境を通過し、同県和歌山市に入る。トンネルを抜け下り勾配に差し掛かり、県道752号和歌山阪南線のガードをくぐると、南海で最も新しい駅で「ふじと台」の副駅名を持つ和歌山大学前駅に着く。イオンモール和歌山が当駅の左側すぐ掘割上にあり、周辺は週末を中心ににぎわいを見せる。沿線は徐々に開けてきて、左側にふじと台の住宅地や和歌山大学のキャンパス群、右側には「ノーリツプレシジョン」(旧ノーリツ鋼機の写真処理機器関連部門。同事業譲渡前の同社本社)や「NKアグリ」(ノーリツ鋼機グループの生鮮野菜製造業者)の本社工場、遠方には和歌山市街などを見ることができる。やがて2本の短いトンネル(第二貴志隧道・第三貴志隧道)をくぐりながら大きく左にカーブをして県道752号和歌山阪南線と別れ、住宅地の中を通りながら県道7号粉河加太線の跨線橋をくぐると、右側から加太線が近づいてきて、同線との乗り換え駅である紀ノ川駅に至る。ゆるやかに右にカーブしながらさらにしばらく進むと、紀の川に架かる紀ノ川橋梁を渡り、築堤を下りながら右にカーブをする。県道15号新和歌浦梅原線をくぐり、右側に和歌山競輪場が見え、左側から近づいてくるJR紀勢本線と並走を始めると、右側に住ノ江検車区和歌山出張場を併設する終点の和歌山市駅に到着する。同駅は和歌山駅と並び、和歌山市を代表する駅の一つである。和歌山市駅の手前には非電化の国社分岐線があり、かつてはこの分岐線を通って紀勢本線への直通列車が走っていた。線路は一部ののりばをのぞいて、その先にある単線の和歌山港線へと続いていく。
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