空港急行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 14:20 UTC 版)
「空港急行」はこの項目へ転送されています。京浜急行電鉄のエアポート急行については「京急本線#エアポート急行」をご覧ください。 終日、空港線に直通して難波駅 - 関西空港駅間で、日中は1時間あたり4本運転されている。急行の停車駅(泉佐野駅以北)に春木駅が追加されている。前述の春木駅停車の急行(白線急行)を前身とする種別であり、1994年6月18日の空港線開業と同時に新設された。空港線内は各駅停車で、泉佐野駅を境に各駅停車となる点で、実質停車駅は区間急行と同じである。6両編成の運用と8両編成の運用があり、朝ラッシュ時の8両編成の上り列車に限り、関西空港駅 - 天下茶屋駅間で、難波寄りから4両目には女性専用車両になる。現在、女性専用車両は2000系以外の車両に設定されている。 英語表記は"Airport Express"。種別を表す色は急行は車両の方向幕が全面朱色、駅の行先案内表示機(発車標)がオレンジ色であるのに対し、空港急行は黒地に朱色またはオレンジ色のアンダーラインが入り(日本語部分が黒地で朱色部分に「Airport Exp.」の英語表記種別が入る。なお、8000系・8300系のフルカラーLED表示では日本語では普通と同じく灰色に白字、英字ではオレンジ色に白字で表示)、また日本語部分に少々小さい上付き文字で「空港」の文字が入った「空港急行」という表記となっているなどの違いがあり、急行とは区別された扱いとなっている。また、関西空港行に限り種別・行先が一体となった幕式では朱色のアンダーラインの左側に、種別・行先幕が別々の1000系では行先幕の灰色のアンダーラインの左側に、8000系・8300系では種別と行き先の間に飛行機マーク()がある。駅内や駅で配布される時刻表では、関西空港行きが同様の飛行機マーク、難波行きは二重丸(◎)で表記される。 関西国際空港への空港連絡列車であり、空港に接続する特急「ラピート」の補完にもなっているが、本線の急行輸送も担当しており、長期休暇期間・大型連休・盆・正月など、日本の海外・国内旅行シーズンの利用客が特に多い傾向があるほか、朝晩ラッシュ時を中心に混雑が目立ち昼間時や土休日でも比較的利用者が多い。ただ泉佐野駅 - 関西空港駅間に限れば朝の上り、夜間の下りはほぼ空気輸送状態になっている。 2005年11月27日のダイヤ改正で平日の日中以降・土休日の終日において1時間3本から2本に減便されたが、代わりに関西空港駅発着の普通が1時間あたり2本新設され、泉佐野駅で区間急行と接続を取るようになった。また空港急行自体も泉佐野駅で和歌山市駅行きの普通と相互接続して、泉佐野駅 - 和歌山市駅間での特急「サザン」や区間急行の補完的役割も担うこととなった。2014年10月18日のダイヤ変更では日中のみさき公園駅(一部和歌山市駅)発着の区間急行が空港急行に変更になり、さらにはそれまで土休日や日中を中心に上下ともに行われていた岸和田駅での特急「サザン」の待避がなくなり所要時間が短縮された。また日中以外でも大幅に増え、さらにほとんどの列車が終着駅まで先着している。 強風などにより空港線関西空港駅まで入線できない場合は、臨時になんば駅 - りんくうタウン駅間で折り返し運転となるが、りんくうタウン行きの種別・行先方向幕がないため、車両側の方向幕では「関西空港行き」の表示として駅の発車標では「りんくうタウン行」の表示にするか、車両側でも別途非常用に用意されている「空港急行」の種別のみの方向幕と「空港急 難波 - りんくうタウン」の標識板を組み合わせるかいずれかで対応する。 近年、関西国際空港へのLCC乗り入れや、インバウンド客の増加などにより、海外のSNSなどを通して安価な交通手段としての認知度が高まっており、スーツケースなどを持った外国人も急増し、慢性的な混雑やマナーの悪化が問題になっている。2017年1月28日と2019年4月6日のダイヤ改正では、いずれも6両編成で運転される列車の一部を8両編成に増車し(最終的に空港急行の4分の3が8両編成となる)、夕方以降のほとんどの区間急行を空港急行に置き換えるなど混雑対策に努めていた。しかし、2021年5月22日のダイヤ改正では新型コロナウイルス感染症の流行による利用客の減少を背景に8両編成の列車の半数が6両に減車されている。
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