油虫とは? わかりやすく解説

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あぶら‐むし【油虫】

読み方:あぶらむし

(「蚜」とも書く)半翅(はんし)目アブラムシ科昆虫総称。体は5ミリ以下でやわらかい。翅(はね)のあるものとないものとがある。草木群れて汁を吸う。春・夏は雌のみの単為生殖で雌の幼虫胎生する。秋になると雄を生み、有性生殖卵を産む排泄物(はいせつぶつ)は甘く、他の昆虫好み種類によりアリ共生するのでアリマキともいう。

ゴキブリの別名。《 夏》「ねぶたさがからだとらへぬ—/汀女」

人につきまとってただで遊興飲食をするものをあざけっていう語。

「—といふは、にありてにくまれず、人にありてきらはる」〈鶉衣・百譜〉

遊里で、冷やかしの客。

本名素見(すけん)あざ名は—」〈柳多留三七


油虫

読み方:アブラムシ(aburamushi)

アブラコウモリ別称
ヒナコウモリ科コウモリ

学名 Pipistrellus abramus


油虫

読み方:アブラムシ(aburamushi)

アブラムシ科,タマワタムシ科、カサアブラムシ科、フィロキセラ科の昆虫総称


油虫

読み方:あぶらむし

  1. 他の厭ふをも顧みず附き纏う妨害をなす者を罵りて云ふ語。「真個彼奴は-のやうな奴だ」。又た遊廓素見客の異名
  2. 〔花〕素見客のこと。又芸娼妓情夫のこと。共に嫌がられる意味から来たもの。
  3. 〔隠〕①遊廓ひやかし客のこと。②他人に喰ひ入つてその庇護生活してゐる人のこと。
  4. 興行物無賃観るもの、又遊廓の素客を云ふ。又他の者の庇護受けて生活してゐるもの。
  5. (一)楽屋遊廓などで鼻つまみの男、怠け者(二)他人にたかつて飲食する男。油虫が寄生するやうに他人にたかる事。
  6. 遊廓ひやかし客のことをいう。吉原に「憎きもの油虫のから騒ぎ」とある。他人恋路邪魔する奴をもいう。〔花柳界
  7. 興行物無賃観るもの。②又遊郭の素客をいう。(吉原に「憎きもの油虫のから騒ぎ」とある)③他の者の庇護受けて生活している。

分類 東京花柳界、花、花柳界


油虫

読み方:あぶらむし

  1. 遊廓にてひやかし客のことをいふ。吉原に「憎きもの油虫のから騒ぎ」とある。〔花柳語〕
  2. 劇場興行物或は遊廓などで邪魔したり、無料見物したりする者。
  3. 遊廓にてひやかし客のことをいふ。吉原に「憎きもの油虫のから騒ぎ」とある。
  4. 劇場等に無料にて出入する者。 湯沢

分類 花柳界花柳


油虫

読み方:あぶらむし

  1. 富豪などに取りつき金を出させ利益を得る如き人を罵る隠語
  2. 他人に食ひ入つて寄生してる人のこと。〔隠語
  3. 怠け者
  4. なまけ者
  5. 他人に喰ひいつて寄生してゐる人のことをいふ。
  6. 油虫のようにしつこくとりついて金品をねだる卑劣漢のこと。

分類 ルンペン大阪俗語


油虫

読み方:あぶらむし

  1. 芸娼妓情夫のことをいふ。〔花柳語〕
  2. 素客又は芸娼妓情人を云ふ。

分類 花柳界風俗花柳


油虫

読み方:あぶらむし

  1. 他人恋路邪魔する奴のことをいふ。〔情事語〕

分類 情事

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油虫

読み方:アブラムシ(aburamushi)

ゴキブリ目ゴキブリ科昆虫

季節

分類 動物


アブラムシ

(油虫 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/11 10:22 UTC 版)

アブラムシ上科
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
亜綱 : 有翅亜綱 Pterygota
: カメムシ目(半翅目) Hemiptera
亜目 : 腹吻亜目 Sternorrhyncha
上科 : アブラムシ上科 Aphidoidea
ユキヤナギ寄生するアブラムシ
ミカンミドリアブラムシとトビイロケアリ共生

アブラムシ(油虫、蚜虫[1])は、カメムシ目(半翅目)のアブラムシ上科(Aphidoidea)に属する昆虫の総称である。アリマキ(蟻牧[2]、蟻巻、蚜虫[3])とも呼ぶ[4]

植物の上でほとんど移動せず、集団で維管束に口針を突き刺して師管液を吸っている。アリ共生し、分泌物を与えるかわりに天敵から守ってもらう習性や、単為生殖によっても増え真社会性を持つことなどから、生態や進化の研究のモデル昆虫ともなっている。

生物的特徴

植物の師管液を吸う。体は太く短くて軟らかく、他のヨコバイ亜目の昆虫のように飛んだり跳躍したりすることはない。膜状の小さなを持つ個体はふわりふわりと飛ぶ事ができるが、ごく限られた時期に出現するだけで、それ以外の期間は翅を持たず宿主植物上でじっと汁を吸っている。

春から夏にかけてはX染色体を2本持つ雌が卵胎生単為生殖により、自分と全く同じ、しかも既に胎内に子を宿している雌を産む。これにより短期間で爆発的にその数を増やし、宿主上に大きなコロニーを形成する。秋から冬にかけてはX0型、つまりX染色体の一本欠けた雄が発生し、卵生有性生殖を行う。卵は寒いを越し、暖かくなってから孵化する。このとき生まれるのは全て雌である。南方系の種には広域移動を行うものも知られ、主に4月から6月に東南アジア方面から気流に乗って飛来し野菜果樹新芽の茎上や葉の表面・裏面に現れ始め、9月から11月には野菜・果樹から移動し、その後、越冬せずに死滅する。

アブラムシは外殻が柔らかく、集団で生活しているので、これを捕食する動物は数多い。特に代表的な天敵は、ナナホシテントウナミテントウなどのテントウムシ類と、クサカゲロウヒラタアブの幼虫である。またくちばしが極めて小さい小鳥であるエナガもアブラムシを好んで捕食する。

自身の防御力が弱いアブラムシ類には、アリに外敵から守ってもらう種があり、これがアブラムシがアリマキと呼ばれる所以になっている。食物である師管液には大量の糖分が含まれ、甘露と呼ばれる肛門からの排泄物には余剰な糖分が多く含まれるため、アリ達はこの甘露を求めて集まってくる。中には、はっきりとアリとの共生関係を持ち、アリに守られて暮らすものもある。また、アブラムシの中には1齢幼虫と2齢幼虫の一部が兵隊アブラムシに分化して積極的に外敵に攻撃する真社会性のものもいる。この幼虫は成長せずに死ぬ。虫癭を形成するものでは、排出された甘露を幼虫が虫えい外に押しだして「掃除」を行うなどの社会性が見られる。

体内でブフネラという大腸菌近縁の細菌と共生しており[5]、ブフネラは師管液からアブラムシにとって必要な栄養分を合成している。アブラムシはブフネラの生育のために特化した細胞を提供しており、ブフネラは親から子へと受け継がれる。ブフネラはアブラムシの体外では生存できず、アブラムシもブフネラ無しでは生存不可能である。またアブラムシは、ブフネラとは別の細菌から遺伝子を獲得し、その獲得した遺伝子を利用してブフネラを制御していることが、理化学研究所の研究により判明した[5]

2014年に豊橋技術科学大学の中鉢淳が、アメリカ合衆国の科学誌『カレントバイオロジー』で発表した論文でも、アブラムシは体内細菌から遺伝子を譲り受けてアブラムシの細胞中で細菌に必要なタンパク質を合成し、それを細菌側へ戻す共生関係を認めた。10億年以上も前に、古代細菌が単細胞生物に取り込まれてミトコンドリアや光合成葉緑体などの器官となったが、アブラムシの体内でも同様の進化が起きている可能性がある。

2021年に北海道大学大学院農学院修士課程の工藤達実、同大学大学院農学研究院の長谷川英祐准教授らの研究グループは、ヨモギに付随するアリ随伴型のヨモギヒゲナガアブラムシが排泄する糖を含む液体(甘露)には,脳内アミンの1種であるドーパミンが含まれており,甘露を摂取した随伴アリの攻撃性が上がることを解明した。本研究から、アブラムシが自らを外敵から守ってもらうために,アリに化学物質が入った甘露を与えて行動を操作し、攻撃的にさせた結果、アブラムシとアリの双方にとって共生関係からそれぞれ利益を得る関係を進化させた、としている[6]

防除法

アブラムシを放置すると、農作物がウイルス病にかかってしまい、作物に甚大な被害を与える農業害虫なので、見つけ次第速やかに駆除する。有機リン系(マラチオンフェニトロチオンアセフェート等)、合成ピレスロイド系(ピレトリン等)、ネオニコチノイド系(アセタミプリド等)など、多くの殺虫剤が有効である。しかし、最近の研究結果では、特に有機リン系や合成ピレスロイド系に対し、高い薬剤抵抗性を持つ傾向が顕著であるとの報告が多数ある。

アブラムシは薬剤抵抗性を持ちやすいので、同一の殺虫剤の散布を長期間繰り返すよりも、2-3種の系統の違うものを定期的に散布していく「ローテーション散布」が推奨されている。また、最新の防除法として、アブラムシを捕食あるいは、アブラムシに寄生する、寄生バチ類、テントウムシ類、ヒラタアブ類などの天敵類を利用した生物的防除が、ハウス栽培野菜を中心に実施されつつある。但し、天敵類の多くは薬剤に対して抵抗性を持たないため、農薬との併用による総合的病害虫管理 (IPM) を行う際には留意する必要がある。

また、葉を巻いてその中に潜む種類や、はっきりした虫癭を形成するものもある。このようなものは、虫体に殺虫剤が接触しにくいので、浸透移行性のある殺虫剤が効果的である。

化学薬品を使用せずに駆除する場合、脂肪分の多い牛乳を水で1対1に割ったものを霧吹きで散布すると、牛乳が乾燥するときにアブラムシの気門を塞いで窒息死させるので、アブラムシが少数のときは有効である。同じ原理を利用し、機械油(マシン油)や[7]、濃度調整したでんぷんや食用油脂を主成分としたものが、農薬として商品化されている。鉢ごと袋をかぶせ、蚊取線香で1時間ほど燻て防除する方法もある。

鉢植えなど園芸分野では、見つけ次第指先で念入りにすり潰すことが簡単かつ最も効果的で、霧吹きをジェットにして吹き飛ばす事も有効。

分類

参考文献

脚注

  1. ^ 小項目事典,百科事典マイペディア,世界大百科事典内言及, 改訂新版 世界大百科事典,日本大百科全書(ニッポニカ),ブリタニカ国際大百科事典. “アブラムシとは? 意味や使い方”. コトバンク. 2025年2月11日閲覧。
  2. ^ 小項目事典,世界大百科事典内言及, 日本大百科全書(ニッポニカ),改訂新版 世界大百科事典,百科事典マイペディア,ブリタニカ国際大百科事典. “アリマキ(ありまき)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2025年2月11日閲覧。
  3. ^ 日本国語大辞典, デジタル大辞泉,精選版. “蟻巻(アリマキ)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2025年2月11日閲覧。
  4. ^ 地域によってはゴキブリのことをアブラムシと呼ぶところもあるため、そのような地域ではアリマキと呼ばれることが多い。
  5. ^ a b “アブラムシは別の細菌から獲得した遺伝子で共生細菌を制御”. 理研ニュース 2009年5月号. (2009年5月). オリジナルの2011年5月25日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20110525081402/http://www.riken.jp/r-world/info/release/news/2009/may/spo_01.html 2018年11月25日閲覧。 
  6. ^ 新着情報: アブラムシが甘い蜜で随伴アリを操作していることが判明~生物多様性の維持の解明への貢献に期待~(農学研究院 准教授 長谷川英祐)”. 北海道大学. 2024年12月11日閲覧。
  7. ^ クミアイ 機械油乳剤95(マシン油乳剤)”. クミアイ化学工業. 2020年4月29日閲覧。

関連項目

外部リンク


油虫

出典:『Wiktionary』 (2021/08/22 03:34 UTC 版)

和語の漢字表記

あぶらむし

  1. あぶらむし参照



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