栄養学的研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/26 05:39 UTC 版)
チョコレートミルクの栄養に関しては多くの研究が行われている。ニューヨーク市教育局の2005年の調査によると、全乳を排除して低脂肪または無脂肪のチョコレートミルクに置き換えることによって、生徒たちに与えられたカロリーと脂肪量は年間でそれぞれ推定で5960キロカロリー、619グラム減少したということがわかった。しかし、より最近の研究では、無脂肪や低脂肪のミルクは実際には脂肪を増やし、肥満の原因になる可能性があるということがわかっている。肥満の子どもたちにとっては、低脂肪や無脂肪のミルクよりも全乳の方が実際には健康的かもしれないという意見もある。 2006年に行われた研究では、チョコレートミルクを飲むことの恩恵は、炭水化物のタンパク質や他の栄養特性に対する比率によるものである可能性が高いと研究者は述べている。しかし、この研究は僅か9人のアスリートを対象に行われた小規模なものであり、出資の一部は酪農業によるものである。また、この研究ではチョコレートミルクと2種類のエナジードリンクを比較しており、味付けされていないミルクは比較対象になっていないため、回復飲料としてチョコレートミルクが味付けされていないミルクよりも優れているかどうかは不明である。 2007年にラフバラー大学で行われた研究では、運動後にチョコレートミルクを飲むと回復力が高まるということが示された。この研究では、ミルクが水分補給として効果的な飲み物であることがわかった。 2009年11月にスペイン・バルセロナの科学者が行った研究によると、フラボノイドを豊富に含むココア入りの脱脂粉乳を定期的に摂取することで、炎症を抑え、アテローム性動脈硬化の進行を遅らせたり防いだりすることができるという。しかし、その効果は赤ワインの摂取で見られるほど顕著ではないと指摘している。 2009年に発表された研究では、激しい運動をした後のサイクリストにチョコレートミルクと市販の回復飲料(炭水化物とタンパク質の含有量を一致させたもの)を与えて比較したところ、運動後の血漿クレアチンキナーゼ濃度や筋肉痛、疲労困憊までのサイクリング時間には差はなかった。しかし、チョコレートミルクは市販の回復飲料よりも安価であるため、研究者は「多くのアスリートにとってチョコレートミルクはより便利で安価な回復飲料の選択肢となる」という結論を下した。 2010年5月に行われたスポーツ栄養学の研究では、「短期間のサッカーの激しいトレーニングを行った際、運動後に等カロリーのチョコレートミルク飲料と炭水化物飲料を摂取したときの運動の回復は同様だ」という結論を下している。 さらに、2011年にニュージャージー州のキーン大学(英語版)で行われた別の研究では、男子サッカー選手がチョコレートミルクを摂取した場合、疲れるまでの時間が長くなるという同様の結果となった。また、キーン大学の研究では、シーズン前に午前と午後に練習をする女子サッカー選手でチョコレートミルクの効果を調べた。午前と午後の練習の間に、選手は炭水化物電解質飲料かチョコレートミルクを摂取し、午後の練習の後に各選手は疲労を溜めるためにシャトルランを行った。この研究では、女性の疲労回復を促進するうえでチョコレートミルクは炭水化物電解質飲料と同じくらい有益だという結論を下した。
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