栄養学的な観点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 21:54 UTC 版)
1977年に「米国の食事目標」が報告されたとき、全900ページほどあるその「補足見解」という報告書の多くは脂肪の問題点について当てられ、動物性脂肪の摂取を減らすという目標につながり、飽和脂肪酸の摂取を減らすという指針が作られた。そうして、脂肪の種類を大衆が判断するのは難しいと考えた栄養学者たちは、「脂肪は良くない」という単純化されたメッセージを作り、脂肪を30%に制限するという推奨は専門家の間でも定着し、多くの脂肪を摂取した人々よりも健康状態が良いという研究結果が得られることが期待された。実際に、長期的に低脂肪食が良いと示した研究が存在したということではない。 「脂肪は良くない」という1960年代から続いている神話は、過剰な単純化であり、そうした食事や脂肪を含まない食品を生み出してきたが、効果はないと考えられる。脂肪が摂取カロリーの40%程度を占めるギリシャの伝統食である地中海食は、日本の伝統食並みに心臓疾患のリスクが低い。実際には、大きく4種類の脂肪が存在し、水素添加された油のトランス脂肪酸と肉や乳製品に含まれる飽和脂肪酸が心血管疾患に関連し、植物油、ナッツ、全粒粉、魚に多い多価不飽和脂肪酸、特にω-3脂肪酸がそうしたリスクを下げる。 2015年にも『米国医師会雑誌』で30%という勧告に異議が唱えられており、最新の2015年の食生活指針ではその上限を撤廃した。
※この「栄養学的な観点」の解説は、「低脂肪食」の解説の一部です。
「栄養学的な観点」を含む「低脂肪食」の記事については、「低脂肪食」の概要を参照ください。
- 栄養学的な観点のページへのリンク