東部ニューギニア方面の戦い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/22 09:24 UTC 版)
「天龍 (軽巡洋艦)」の記事における「東部ニューギニア方面の戦い」の解説
第三次ソロモン海戦の敗北により、ガダルカナル島の戦いは収拾がつかない状況になった。一方、日本軍輸送船団を全滅させた連合軍は反攻に転じ、11月16日にパプアニューギニアのブナへ上陸作戦を敢行、東部ニューギニア方面の戦況も一挙に悪化した。外南洋方面部隊各艦は15日にショートランド泊地へ戻ったばかりだったが、連合軍ブナ上陸を受けて対応を迫られる。 詳細は「ポートモレスビー作戦#ブナ・ゴナの戦い」を参照 増援部隊(第二水雷戦隊)は東部ニューギニア方面輸送作戦のためラバウルへ移動、鳥海はラバウルで第八艦隊司令部をおろすと涼風に護衛されてトラック泊地へ回航(20日着)、支援隊(鈴谷、摩耶、天龍、早潮)はカビエン回航および同地待機を命じられる(18日着)。同時期、ラバウル・ニューギニア方面の海上兵力輸送・航空基地整備・哨戒等を担当するR方面防備部隊の負担が重くなり過ぎたため、待機中のラビ攻略部隊(第十八戦隊司令官、兵力龍田のみ)と進撃部隊(第七根拠地隊)がニューギニア方面の輸送および防御任務を担当することになった。11月23日、トラック泊地の第十八戦隊司令官松山少将は涼風に乗艦してラバウルへ移動。天龍と駆逐艦早潮も第七戦隊の指揮下を離れ、ラバウルへ向かった。同日、ラバウルにて松山司令官は涼風から天龍へ移乗、天龍は第十八戦隊旗艦に復帰する。外南洋部隊(第八艦隊)が定めた東部ニューギニア方面護衛隊(指揮官松山十八戦隊司令官)の戦力は、旗艦天龍以下、第8駆逐隊(朝潮、荒潮)、第10駆逐隊(夕雲、巻雲、風雲)、駆逐艦春雨、白露、電、磯波、早潮という陣容だった。 12月8日早朝、風雲、夕雲、朝潮、荒潮、磯波、電の6隻の駆逐艦は陸兵約1000名とドラム缶を搭載してラバウルを出撃した。途中、B-24重爆1機の攻撃を受け朝潮が被弾、そこで松山司令官は天龍に乗艦して救援に向かった。だが午前11時に外南洋部隊より作戦中止命令があり輸送隊は反転、帰路にもB-17重爆7機の空襲で磯波が至近弾で軽微な損傷を受けるも各艦に深刻な損傷はなく、夕方になって全隻ラバウルへ帰投した。 12月中旬、日本軍はニューギニア方面作戦を進展させるため、ニューギニア島東部のマダンとウェワク攻略作戦(ム号作戦)を発動する。外南洋方面部隊主隊(鳥海)、同支援隊(熊野、鈴谷)、東部ニューギニア方面護衛隊(天龍)、ウェワク攻略部隊(巻雲、夕雲、風雲、清澄丸)、マダン攻略部隊(荒潮、涼風、電、磯波、愛国丸、護国丸)、母艦航空隊(隼鷹、阿賀野、磯風、浜風、他駆逐艦1)という兵力部署が決定。各隊は12月16日、トラック泊地やラバウルを出撃し、それぞれの攻略目標へ向かった。 12月18日、天龍は駆逐艦4隻(涼風、磯波、荒潮、電)と共に輸送船2隻(愛国丸、護国丸)を護衛し、マダン上陸作戦に従事していた。夕方の空襲で護国丸が被弾炎上したが、沈没には至らなかった。同日20時25分、マダン港外8浬付近で、米潜水艦の発射した魚雷が天龍の左舷後部に命中した。この時、アメリカ潜水艦のアルバコア (USS Albacore, SS-218) が魚雷4本を発射していた。松山司令官は駆逐艦磯波に将旗を移揚した。天龍の救援は荒潮に命じられていたが、涼風の輸送作業が終わったので同艦が救援に向かった。だが、涼風による曳航は天龍の浸水が進んだため困難だった。涼風は天龍に横付けして生存者移動を試みていたが、天龍は23時に.mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}南緯05度8分 東経145度57分 / 南緯5.133度 東経145.950度 / -5.133; 145.950地点で沈没した。大多数の乗組員は救助されたが、23名が戦死し21名が負傷した。 12月21日、第十八戦隊旗艦は磯波から望月に変更された。12月24日、第十八戦隊は解隊し、龍田は第八艦隊所属となった。 1943年(昭和18年)2月1日、天龍は軍艦籍から除籍、二等巡洋艦天龍型から削除された。
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