来宮神社と大クスとは? わかりやすく解説

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来宮神社と大クス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/27 08:01 UTC 版)

阿豆佐和気神社の大クス」の記事における「来宮神社と大クス」の解説

東海道新幹線東海道線電車熱海駅発着するとき、ごく短い時間だけ車窓から緑豊かな鎮守の森目にすることができる。これが来宮神社社叢で、JR東日本来宮駅から徒歩で約5分程度ところに所在している。 神社縁起によると、創建には次のような説がある。710年和銅3年)、漁夫の網に1体木像かかった何度捨ててもまた木像が網にかかるので漁夫はこれを怪しみ海辺マツ木の根元に木像安置した。ある夜漁夫見た夢に木像が神の姿で現れた。木像は「自分五十猛命である」と名乗り、「山に7本のクス大樹があって波音聞こえない地がある。そこに自分を祀れ。さすれば村民たちを守護しよう」と告げた。そこで漁夫はこの地を選び、「木の宮(来宮)」として祀った。それが来宮神社始まりであるという。 社叢にはクスノキの他にもホルトノキシイノキなどの大木多く見られ昼間でも薄暗いほどである。本殿に続く参道をしばらく歩いていくとやがて右手側にクスノキ巨木現れるが、これは通称を「第二クス」という別の木である。 大クス本殿裏側糸川の崖上に生育している。2016年平成28年)に出版された『千年の命 巨樹巨木を巡る』によると、樹高36メートル推定樹齢伝承2000年という。樹皮赤みがかって幹にはこぶ状の隆起いくつも形成され、根は地面深く食い込んだ後に地上にまで盛り上がって波打つほどである。 1824年文政7年)の『甲申旅日記』という文献では「この山に大なるあり。めぐり十一抱え半あり。幹はうつろに成りてほらのごとく、三十六人居並ぶという。この外にも七八抱えありと聞けり」と言及されている。もともとは1の木として生育していたが、後に根元から南北2幹に分離した。これは明治維新の頃に木材利用のために幹の根元に近い一部分切り取ったところ、2幹に分かれてそのまま生育続けたのである文化庁発行の『天然記念物事典によれば、2幹を同一として根元の総周囲測ると約15.65メートル目通り幹囲は約12.50メートル、北幹の根元が約14.70メートル目通り幹囲は約12.50メートル、南幹の根元が約10.85メートル目通り幹囲は約8.25メートルである。北幹は高さ約20メートル達し枝葉多く茂らせて旺盛な樹勢保っている。南幹は地上約5メートルほどのところで折損し、その部分トタン覆っている。この折損は、1974年昭和49年8月31日台風23号被害よるものである。 かつて来宮神社境内には、7本のクスがあったと伝わる。嘉永年間1848年-1853年)に熱海村伊豆山の間で漁業権を巡る争い大網事件)が起こった熱海村訴訟費などを捻出するために、5本のクス伐採した次にこの大クスを伐ろうとしたところ、突如白髪老翁現れてこれを遮った。その途端に大鋸真っ二つ折れ老翁の姿も消え去った人々はこの事態神のお告げ受け止めて伐採中止し、大クス第二クスの2本が神社境内に残ることになった長きわたって暴風雨などの災害乗り越えてきた大クス不老長寿無病息災象徴とされ、周りを1周すれば1年寿命延びると伝えられている。そのため、大クス周囲何度も回る人々の姿が見受けられる。この大クス1933年昭和8年2月28日に国の天然記念物となった。 大クスは、蒲生の大クス鹿児島県姶良市)、武雄の大クス佐賀県武雄市)と並んで日本三大クス」に挙げられている。環境庁による巨樹巨木調査昭和63年度)においては蒲生の大クスにつぐ全国第2位巨木とされた。 通称を「来宮神社の大クス」(きのみやじんじゃのおおクス)ともいい、この呼び名でも親しまれている。天然記念物指定名称に「阿豆佐和気神社」と冠せられているのは、それが指定当時神社名だったためである。 国文学者佐佐木信綱は、「来の宮は樹齢二千年ののもとに御国のさかえいのりまつらむ」という歌を詠んだ。この歌の歌碑来宮神社境内建立されている。毎年5月5日執り行われる大楠祭」のときに奉納される大楠の舞」は、佐佐木の歌にちなん作られたものである

※この「来宮神社と大クス」の解説は、「阿豆佐和気神社の大クス」の解説の一部です。
「来宮神社と大クス」を含む「阿豆佐和気神社の大クス」の記事については、「阿豆佐和気神社の大クス」の概要を参照ください。

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