日本国政府の対応
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「2010年中国における日本人死刑執行問題」の記事における「日本国政府の対応」の解説
中国政府の死刑執行の通告に対し、岡田克也外務大臣は、4月2日に程永華駐日特命全権大使を外務省に呼び、日本国民の対中感情に悪影響を与えかねないと懸念を伝えた。 4月3日に開催された「日中財務対話」で、菅直人副総理兼財務大臣が、温家宝首相と会談した際、菅は「やや日本の場合の基準より罰則が厳しいと思っている人がいる」と懸念を表明したが、温首相は「中国の法律に基づいてのことだ。何千人もの命を危険にさらす重大な犯罪だが、抑制的な姿勢で臨んでいる」と日本側に理解を求めたという。 鳩山由紀夫内閣総理大臣は執行前の6日朝に、「執行は日本から見れば残念なこと」と指摘しつつも「ある意味でいかんともしがたいところもある」と述べ、死刑執行は中国の内政問題であるとした。一連の日本政府の対応は、中国を牽制する姿勢を日本国内に見せることで対中感情の悪化を避け、中国にも日本側への配慮を促す狙いがあったという指摘がある。 また政府内には「どの罪にどの程度の刑罰を科すかは中国の主権に属する問題」であるとして、中国政府に対し日本政府として、日本人に対する死刑執行に関する正式抗議は見送られたという。 このような、消極的ともいえる日本政府の対応について、国際人権団体アムネスティ・インターナショナル日本支部は、「日本の死刑制度を守るためとしか考えられない。日本は執行停止をきちんと求めるべきだ」と指摘している。 また、一橋大学大学院の王雲海は、日本人死刑囚を同じ時期に執行したことについて「(日本人)一人目の執行を伝えても、日本側にそれほど反発がおきなかったので、(4人とも)いっせいにやっても大丈夫という判断があったのではないか」と述べている。なお後述のように、2009年12月には自国民が処刑された際のイギリス政府の対応は、中国政府に強い姿勢で死刑回避を求めており、深刻な二国間問題となった。それに比べると日本政府の対応との差は歴然である。
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日本国政府の対応
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「上海総領事館員自殺事件」の記事における「日本国政府の対応」の解説
遺書により自殺の経緯を知った外務省は、これが領事関係に関するウィーン条約(外交官の権利等について定めた国際条約)に違反すると考え、中華人民共和国に対して、2度に渡り口頭で抗議および真相の究明を要求した。しかし事件の公表は行わず、内閣総理大臣小泉純一郎にも報告はされなかった。後に外務省は遺族への配慮および、情報に関わる問題については表に出さないことが原則である為に公表を差し控えた、とコメントしている。 総領事から事件の一報を受けた外務省においては、当日の内に北島信一官房長、竹内行夫事務次官、それに川口順子外務大臣へと順に報告が行われた。協議を経て、数日後には伊原純一観察査察担当参事官をリーダーとする調査団を中国へと派遣することが決定した。内閣の情報機関である内閣情報調査室も調査に乗り出し、国際部門のトップが密かに現地入りした。彼らは館員達の事情聴取と資料の調査を行い、事件の損害評価と実態解明を行った。その結果、館員の自殺は中国当局の脅迫に由来するものであるという結論が下された。この情報は外相、内閣情報官、官房副長官までは報告されたが、首相には報告されなかった。 調査の結果を受けて、5月中旬には在中国日本国大使阿南惟茂から外交部副部長だった王毅(後に駐日特命全権大使、中華人民共和国外交部部長に就任)への抗議を行うことが決定されたが、王毅副部長は直前に病気で入院し、代理として堀之内秀久公使がカウンターパートである孔鉉佑アジア司副司長に、上記のような抗議を行った。
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