日本の標準軌路線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 07:37 UTC 版)
日本で標準軌を採用しているのは、新幹線、JR田沢湖線等在来線のミニ新幹線区間、近畿圏および東京を中心とする大手私鉄、地下鉄、路面電車等である。日本に現存する標準軌幅の営業用路線はすべて電化路線であり、日本が領有していた外地を除くと、過去を含めても営業用の路線として非電化だったのは琴平電鉄塩江線が唯一の例である。 なお、昭和中期ごろまではこの1,435mm軌間を「広軌」と呼ぶのが一般的であり、公文書上でも1,435mm軌間を広軌と表現していたこともあった。理由は、在来線に多く使用されている1,067mm軌間が標準的であり、それより広いためである。そのため、伝統的に標準軌が主流の関西私鉄の一つである近畿日本鉄道(近鉄)ですら、同様の理由で1,435mm軌間の路線を「広軌」と公式には称している。しかし、近年では国際的な広軌幅の呼称との混同を防ぐため、日本において1,435mm軌間を意味するためには本項目の「標準軌」の用語が基本的に使用されることが増えている。 JR(新幹線および、法律上の在来線のうち新幹線車両のみが走行する路線)東海道新幹線・山陽新幹線・九州新幹線 東北新幹線・上越新幹線・北陸新幹線 北海道新幹線(ただし海峡線との共用区間(新中小国信号場 - 木古内間)は狭軌(軌間1067mm)・標準軌の三線軌条) 博多南線(山陽新幹線車両が直通) 上越線支線越後湯沢 - ガーラ湯沢間(上越新幹線車両が直通) JR(在来線のうち新幹線車両が直通する路線。いわゆるミニ新幹線)奥羽本線福島 - 新庄間(東北新幹線から専用車両が直通、通称山形新幹線。同区間を走行する普通列車の運行系統上の路線名は通称山形線。ただし山形 - 羽前千歳間は狭軌(軌間1067mm)と標準軌の単線並列) 奥羽本線大曲 - 秋田間(東北新幹線から専用車両が直通、通称秋田新幹線の一部。同区間は狭軌(軌間1067mm)と標準軌の単線並列、標準軌は東側軌道(軌間変更前の上り線に相当)。ただし神宮寺 - 峰吉川間の西側軌道(軌間変更前の下り線に相当)は狭軌(軌間1067mm)・標準軌の三線軌条) 田沢湖線(東北新幹線から専用車両が直通、通称秋田新幹線の一部) 私鉄東京地下鉄 - 銀座線・丸ノ内線・丸ノ内線分岐線 京成電鉄 - 全線 新京成電鉄 - 全線 北総鉄道 - 全線 芝山鉄道 - 全線 京浜急行電鉄 - 全線、ただし逗子線金沢八景 - 神武寺間の上り線は狭軌(軌間1067mm)・標準軌の三線軌条 箱根登山鉄道 - 鉄道線入生田 - 強羅間、ただし入生田 - 箱根湯本間は狭軌(軌間1067mm)・標準軌の三線軌条 十国峠 - 十国鋼索線 大阪市高速電気軌道 - 全線 近畿日本鉄道 - 大阪線・信貴線・名古屋線・湯の山線・鈴鹿線・山田線・鳥羽線・志摩線・難波線・奈良線・生駒線・けいはんな線・京都線・橿原線・天理線・田原本線 京阪電気鉄道 - 鋼索線以外全線 阪急電鉄 - 全線 阪神電気鉄道 - 全線 山陽電気鉄道 - 全線 能勢電鉄 - 妙見線・日生線・鋼索線 京福電気鉄道 - 嵐山本線・北野線 叡山電鉄 - 全線 阪堺電気軌道 - 全線 北大阪急行電鉄 - 全線 高松琴平電気鉄道 - 全線(四国地方唯一) 広島電鉄 - 全線(新幹線を除けば中国地方唯一) 筑豊電気鉄道 - 全線 西日本鉄道 - 天神大牟田線・太宰府線・甘木線 長崎電気軌道 - 全線 公営仙台市交通局(仙台市地下鉄) - 東西線 東京都交通局(都営地下鉄) - 浅草線・大江戸線 横浜市交通局(横浜市営地下鉄) - 全線 名古屋市交通局(名古屋市営地下鉄) - 東山線・名城線・名港線 京都市交通局(京都市営地下鉄) - 全線 神戸市交通局(神戸市営地下鉄) - 全線(旧北神急行電鉄区間を含む) 福岡市交通局(福岡市地下鉄) - 七隈線 熊本市交通局(熊本市電) - 全線 鹿児島市交通局(鹿児島市電) - 全線 廃止された路線川崎市交通局(川崎市電) - 全線 京都市交通局(京都市電) - 全線(旧京都電気鉄道買収区間を除く) 愛宕山鉄道 - 平坦線 大阪市交通局(大阪市電) - 全線 南海電気鉄道 - 平野線・大浜支線 神戸市交通局(神戸市電) - 全線 播電鉄道 - 全線 改軌された路線(事業者として現存しないもの)松山電気軌道 - 全線 - 伊予鉄道への合併後、全線を1067mmに改軌(一部は廃止) この他、上掲社局の廃止路線にも該当例がある。なお、北海道、北陸地方、甲信越地方には過去にも現在にも標準軌を一切導入していない(いずれも新幹線を除く)。
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