日本におけるシターロ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/27 18:29 UTC 版)
「メルセデス・ベンツ・シターロ」の記事における「日本におけるシターロ」の解説
シターロG 日本仕様(旧モデル)O530G 神奈川中央交通 日本国内においては2007年12月に神奈川中央交通がシターロGを4台導入したのが初導入例で、導入に至った経緯は神奈川県藤沢市で当時導入されていた輸入車の連節バス「ネオプラン・セントロライナー」が日本向け車両の供給を中止していたことから、改めて車種選定を行うことになり、神奈中自身の子会社(神奈川三菱ふそう自動車販売)を通して強固な関係にある三菱ふそうトラック・バスに対して、日本での連節バス製造の可能性について打診したが、三菱ふそうは日本での製造は困難と回答し、代わりにダイムラーグループのエボバスが製造するシターロの導入支援を行うことになり、2008年2月4日より厚木市内の路線で運行を開始した。 導入に際して、右ハンドルのイギリス仕様車をベースとした連節バス車両が日本に輸入されているが、それまでに日本に輸入されたバス車両と異なり、欧州仕様の車両がほぼそのまま導入されている。例えば、日本の道路運送車両法による道路運送車両の保安基準第26条の規定においては、定員30人以上のバス車両には非常口を設置しなければならないこととされているが、本型式では非常口は設置されておらず、代わりに窓ガラスを割るためのハンマーが設置されている。輸入に際して国土交通省で安全性の確認を行なった結果、非常口と同等以上の安全性が確保されていると判断されたため、本車両では非常口の設置に関する基準については適用除外とされている。また、車体幅も欧州の規格である2,550mmのままでの導入となった。車体幅2,550mmの車体が特認を受けたことについては、バス識者からも「非常に意義深いこと」と評されている。一方で、寒冷地であるイギリスと異なり、日本の高温多湿な環境に対応する必要から、アフリカ向け車両などに使用される熱帯仕様の冷房装置を装備するなど、日本での使用に合わせた対処も行われている。また、海外モデルの一部で装備されている水しぶきの発生を抑えるタイヤハウスのブラシも日本モデルでは原則標準装備している。 2010年には、これまで使用していた既存の連節バス車両(ボルボ製KC-B10MC改)の置き換えのために、京成バスでもシターロGを10台導入、2010年度中に合計15台まで増備された。 2012年には、東京都初の連節路線バスとして神奈川中央交通が町田市内で4台の運行を開始したが、この導入に際しての警視庁との協議で、夜間での視認性向上など安全性がより高まるよう、側面窓枠下側に銀色の帯(反射テープ)を設置するなどの対策を採っており、他のシターロシリーズにはない外観上のアクセントとなっている。 関東地方以外は2011年3月に中部地区で初めて岐阜乗合自動車(岐阜バス)が2台導入し、関西地区では2013年4月より神姫バスが2台導入するなど、各地で導入する動きが広がる。 京成バス 神奈川中央交通町田営業所の車両。銀色の帯が特長。 岐阜乗合自動車 運転席 最前部から見た客室 屋根上脱出口 非常用ドアコック シターロG 日本仕様(現行モデル)O530G 神奈川中央交通東 2016年10月には、日本国内向け右ハンドルのシターロG新型モデル(C2)を発売することが発表され、日本国内での販売は三菱ふそうトラック・バスが行う。南海バス、西鉄グループ(増備車)、神姫バス(増備車)、神奈川中央交通グループ(増備車)にはこの新型モデルが投入されたが、新旧モデルの両方を保有する事業者は神姫バスと神奈川中央交通の2社のみである。 2021年4月時点で、神奈川中央交通グループは日本国内においてシターロGの保有台数が最も多いバス事業者となっている(連節バス計26台のうちシターロを24台保有) この新モデル発売以降、シターロを増備する事業者がある一方で、2020年度には京成バスの保有車両1台(2010年式)が故障によって運用離脱となり、2021年3月には国産の日野・ブルーリボンハイブリッド連節バスを導入し、廃車分の置き換えを行った。 南海バス 西日本鉄道 西鉄バス北九州
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