新聞連載版とは? わかりやすく解説

新聞連載版

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/19 11:06 UTC 版)

汗血千里駒」の記事における「新聞連載版」の解説

1883年1月24日から高知自由民権派新聞土陽新聞9月27日まで64回のエピソード分ける形で連載された。 紫瀾は『土陽新聞』の前身に当たる『高知新聞』(第2次1880年7月5日創刊)で編集長務め同年9月19日から翌年9月2日まで、自身初の小説とされる南の海血しほ(お)の曙』を、72回にわたって南國野史」の筆名連載した土佐勤王党メンバー主役幕末史を綴る内容だったが、私淑していた板垣退助東北遊説付き添うことになり、未刊のまま中絶した。この作品では坂本龍馬連載途中の1エピソード登場するのみで、この回の文中に「(龍馬を)後編好材料となさんとす。因て此に其端緒叙し暗に他日伏線たらしむ」と紫瀾は記し別途大きく取り上げ意図があることを示していた。 紫瀾は1881年12月高知戻ったのち、1882年1月に「民権講釈師」の活動開始したが、その2日目講釈話した内容不敬罪問われた。本作連載開始当時公判中で、大審院の上棄却により3月に刑が「重禁錮3か月罰金20円、監視6か月」と確定し3月31日から6月29日までを獄中過ごしたこれに伴い掲載3月30日第53回から7月10日54回まで中断している。 物語井口村刃傷事件から始まり龍馬登場第4回から)、その後改め龍馬生い立ちからその活動を追う。近江屋事件龍馬暗殺された後、徳川慶喜による大政奉還長岡謙吉による讃岐国平定描き最終回(の最後)は長岡の死と関係者のその後、そして龍馬縁者である坂本南海男立志社自由民権運動遊説にあたる姿を「叔父龍馬其人の典型遺伝したるあるを徴すべく、或は之を路易(るいす)第三世奈波侖(なぽれおん)に比すと云ふ」と描いて締めくくっている。 新聞連載時本作では、龍馬登場しない回が掲載68回中26回もある。特に後半四境戦争以後)は、長岡謙吉中岡慎太郎取り上げて描く回が複数ある。また「龍馬なし」の回での言及少ないものの近藤長次郎複数の回で登場している。このほか、龍馬没後明治維新関わり連載当時自由党幹部だった板垣退助後藤象二郎登場する。これは本作が『南の海血しほの曙』に続いて土佐勤王党群像劇」を描く構想一環であったことに由来する加えて、紫瀾は『南の海血しほの曙』の段階から、土佐勤王党活動を「下士郷士)による封建制度への抵抗」とみなし、藩閥政府対抗する自由民権運動をその再現とする視点明言していた。本作での板垣後藤登場は、彼らが土佐勤王党継承者であることをアピールする狙いがあった。知野文哉は、連載当時板垣後藤伊藤博文井上馨差し金欧州視察に出かけたことで自由党内が紛糾分裂状態陥ったことがさらにその背景にあると推測した。知野は、紫瀾が窮地立った板垣後藤運動指導者としての正嫡性」を与えて批判から救済」することを意図していたと論じている。 紫瀾が執筆に際して利用した情報源に関しては、木戸孝允から龍馬宛てた書簡坂本南海男から見せられたという内容文中にあり、坂本南海男情報源一つ考えられている(ただし、坂本南海男生い立ちから、その多く伝聞であった推測されている)。また薩長盟約に関する記述には、1872年刊行され山野史の『近世史略』に言及した箇所があり、参照していたとみられる

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