文久3年、飛龍回天建白とは? わかりやすく解説

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文久3年、飛龍回天建白

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/09 09:16 UTC 版)

平田延胤」の記事における「文久3年、飛龍回天建白」の解説

大原重徳三条実美勅使下向島津久光主導する文久の改革経て時流奉勅攘夷方向大きく傾き将軍上洛決定とともにそれに先だって将軍後見職となった徳川慶喜文久2年12月江戸出立して京に赴いた佐竹義堯も翌文久3年1月上洛することとなり、それに先だち、父の銕胤も文久2年11月27日江戸家老宇都宮典綱に随行するかたちでの上洛を命じられた。同行したのは角田忠行野城太夫小林与一郎であった。父に引き続き延胤、弟の三木弥も上京加えて平田父子の上京と国事斡旋好機として、門人長老であった武蔵国入間郡権田直助はじめとする平田国学の徒が陸続と京都参集し奉勅攘夷運動を下からさらに促そうとした。これにより、当時京都さながら平田門人総結集の様相呈したこうした矢先おこったのが、平田門人たちが直接・間接にかかわった文久3年2月22日1863年4月9日)夜の足利三代木像梟首事件等持院事件であった平田家人びとは銕胤が藩命帯びての上京だったため、この事件はまった関与していなかった。延胤は、父銕胤とともに中山道経て江戸へ帰るが、その途中美濃国中津川宿門人たちに熱烈な歓待受けた。そのなかには島崎藤村の父、島崎正樹加わっていた。 このころ気吹舎は、全国政治情報おのずと集まるセンターとなっていった。明治維新功労者である西郷隆盛再三江戸気吹舎訪れている。延胤自身また、平田国学者の政治的理論的指導者として成長遂げていった。 この年4月20日攘夷決行期限が「文久3年5月10日」と決した。『風雲秘密探偵録によれば対外戦争回避徳川家茂将軍職辞退主張した三奉行上書5月6日付で提出されており、これに対して幕臣某による箇条書き体裁をとった論駁書もただちに出されているが、銕胤父子はこれらをいずれも素早く入手している。論駁書は、山岡鉄舟幕府内の尊王攘夷派主張近く当時幕府抱え込まざるをえなかった矛盾踏まえたうえでの立論なされていた。さらに、銕胤父子は、幕府今までのような曖昧な処置では挽回難しく、いったん拝命した「攘夷」を断固奉戴して国威更張方面奮発するほか活路はないという幕府目付杉浦誠正一郎)の5月建白入手していた。銕胤・延胤の父子は、攘夷決行予定日5月10日幕府横浜港での姿勢いかなるものであったかについては、同地詰めていた草莽志士たちの翌日急報押さえ同日以降馬関海峡封鎖外国船に対す砲撃一切については、砲撃加わった庚申丸乗員の手記を入手し、さらに京都情勢については京都発信書翰より、5月20日朔平門外の変姉小路公知暗殺事件)も含めて把握していた。 こうしたなか、5月中旬以降6月にかけて、幕府奉勅攘夷実行する意思も力もないことがしだいに明らかになっていった。延胤は6月中旬藩主佐竹義堯いちはやく朝旨重んじて江戸幕府討滅の挙に出よという趣旨の「飛龍回天建白」を藩当局上奏している。しかし、延胤は、この建白書により、「言旨激越」として譴責処分受けたこの年また、小野崎通亮吉川忠安によって祖父平田篤胤生家である久保田城下の大和田家国学塾義塾創設された年でもあった。この塾は、銕胤・延胤父子とも連絡とりあって開設されたものであり、以後秋田勤王派の拠点となっていった。

※この「文久3年、飛龍回天建白」の解説は、「平田延胤」の解説の一部です。
「文久3年、飛龍回天建白」を含む「平田延胤」の記事については、「平田延胤」の概要を参照ください。

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