改装後の副砲、その他備砲
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「コンテ・ディ・カブール級戦艦」の記事における「改装後の副砲、その他備砲」の解説
副砲には、口径こそ12cmのままであったが新設計の「1926年型 12cm(50口径)速射砲」を採用した。また、改装前には単装砲架でケースメイト配置だった方式も、これまた新設計の「OTO式 1933年型」楔形連装砲塔形式に改められた。しかし、砲塔を小型化するために左右の砲身は同一の砲架に接続され左右一緒に俯仰する方式であった。この砲架形式だと斉射時に左右の砲口から発する衝撃波が相互に干渉しあって散布界が増大する欠点があった。しかし、砲塔形式となった事で防御範囲は押さえられ、副砲弾薬庫を舷側一杯に配置する旧来の方式よりも被弾時の安全性が向上した事は間違いない。その性能は重量23.15kgの砲弾を仰角45度で射距離22,000mまで届かせることができる優秀砲で、発射速度は毎分6~7発、俯仰能力は最大仰角45度・俯角10度で、旋回角度は左右150度で前後方向に最大8門、左右方向に最大6門が指向できた。 さらに、高角砲も改装前の6.5cm高角砲から、年々進化する航空機に対抗するため、より大型の「OTO 1930年型 10cm(47口径)高角砲」に換装された。この砲は厳密に言えばイタリア製ではない。設計は第一次世界大戦前にシュコダ社でオーストリア=ハンガリー帝国海軍向けに製造した「K11型 10cm(47口径)速射砲」という旧式砲を模造し、砲架を改造して高角砲として転用したものである。性能的には重量13.8kgの砲弾を仰角45度で射距離15,240m、最大仰角85度で高度10,000mまで届かせることができた。発射速度は毎分8~10発、俯仰能力は仰角85度・俯角5度で、旋回角度は左右180度であった。 しかし、設計段階で高角砲の射界よりも副砲塔の射界を重視しており、高角砲の配置は艦首方向は2番主砲塔と艦橋の間に1基ずつ計2基、艦尾方向は後部三脚檣の両脇の狭い箇所に配置され、特に前側のは上部を艦上構造物が占拠しているために対空射界は後側より圧迫されていた。 そのため、高角砲を補助するためにブレダ社製「37mm(54口径)機関砲」が採用され、連装砲架で6基を装備された。同じく「13.2mm(75.7口径)機銃」を連装砲架で2番主砲塔上に並列に2基、2番煙突の左右に2基、3番主砲塔上に並列に2基の計6基装備した。なお、1940年にカブールは13.2mm機銃を「1935年型 20mm(65口径)機関砲」を連装砲架で6基12門へ、チェーザレは同8基16門へと換装した。
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改装後の副砲、その他備砲
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「カイオ・ドゥイリオ級戦艦」の記事における「改装後の副砲、その他備砲」の解説
副砲をケースメイト配置から砲塔形式に変更したのはカブール級と同じであるが、口径は改装前は15.2cm砲であったのが、改装後は新設計の「1935年型 13.5cm(45口径)速射砲」を採用した。改装前に比べて口径が小さくなったのは奇異に感じられるが、イタリア火砲製造技術の発達により小さい口径で前大戦時の15.2cm砲を上回る性能が得られたためである。その性能は重量32.7kgの砲弾を仰角45度で射距離19,600mまで届かせることができ、発射速度は毎分6~7発、俯仰能力は最大仰角45度・俯角5度で、旋回角度は240度であった。この砲を新設計の箱型砲塔に納めた。 カブール級の砲塔は連装式で、2門を同一砲架に接続された事により散布界の問題があったが、本級ではヴェネト級と同じく三連装砲塔となり、しかも3門の砲身が独立の砲架に接続され別個に俯仰・発射できた。しかし、ヴェネト級では艦橋と後檣の両脇の四箇所に配していたが、本級では前部艦橋の両脇に前向きに背負い式で2基が配置された。 これは、火力的にダンケルク級の前方火力8門に対し本級は前方火力5門と劣っており、それを補うために敢えて前方方向に集中配置したと見られる。この配置方式により艦首方向に最大12門という強火力を指向でき、左右方向には最大6門、更に背負い式配置を採用した事により後部に位置する高角砲群を干渉する事無く艦尾方向にヴェネト級と同じく最大6門を指向出来た。 高角砲ではカブール級においては平射砲を改造しただけの「OTO 1930年型 10cm(47口径)高角砲」であり、用兵側にて問題とされていたが、本級ではヴェネト級向けに開発された全くの新設計である「1939年型 9cm(50口径)高角砲」を搭載することができた。その性能は重量10kgの砲弾を仰角45度で射距離13,000m、最大仰角75度で高度10,800mまで届かせることが出来た。発射速度は毎分12発と速く、俯仰能力は仰角75度・俯角3度で、旋回角度は左右120度であった。主砲・副砲の斉射時の爆風を避けるため、装甲を施されたシールドが砲架に被せられた。 また、カブール級において問題視されていた高角砲の射界不足は、前述の通り副砲塔配置の変化により大幅に改善され、高角砲配置は船体中央部に直列で単装砲架で片舷5基の計10基10門が配置された。この配置により煙突以外、遮る物の無い箇所に置かれた高角砲群は広い射界を得られた。なお、高角砲の射撃式装置は2本煙突の間に、両舷側の見晴らしの良い場所に設置され、これと連動する航空機追尾装置も艦橋後部の両舷に設置された。 また、高角砲を補助するためにブレダ社製「37mm(54口径)機関砲」を連装砲架で搭載するのは同じだがカブール級の6基から15基へと搭載数は1.5倍に増やされた。また、カブール級では13.2mm機銃であったのを本級は改装時から「1935年型 20mm(60口径)機関砲」を採用しており、連装砲架で8基16門へと装備した。
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