改修段階
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/29 16:41 UTC 版)
初期生産型 特に呼称はなく、後の生産型にB型以降の型式が付与されるようになってもアルファベットによる型式区別は付与されず、単に「74式戦車」と表記される。74式戦車照準用暗視装置付 アクティブ型赤外線暗視装置を砲塔に取り付けた型式。 74式戦車ドーザ付 車体前方に障害物除去用のドーザ(排土板)が取り付けられた型式。操作は操縦士が姿勢制御装置の油圧を利用して行うが、操縦装置の関係から搭載砲弾数が通常の50発から3発少ない47発となる。 74式戦車照準用暗視装置 ドーザ付 前述の2つの装備を取り付けた型式。以下、下記の型式も取り付けられた装備に合わせて「○型○付」と表記される(例:74式戦車F型照準用暗視装置付)。 B型 APDS及び75式HEPの2弾種に加え、APFSDSを運用できるようFCSや弾薬架を改良した型式。変更までに配備された400輌以上の初期型全てがB型に改良された。 C型 オリーブドラブ一色だった塗装を、濃緑色と茶色の2色迷彩に変更した型式。50-60輌程度が生産され、B型と並行して運用された。 D型 砲身にサーマルスリーブを装着した型式。C型以前の物は全てD型に改良された。 E型 HEPに代わり91式HEAT-MPを射撃できるようにFCSを改良した型式。D型以前の8割程度がE型仕様になった。 F型 92式地雷原処理ローラを装備できるようにした型式。数量は10輌以下とされる。 G型 上記の74式戦車改修型。量産4輌と試作1輌のみが存在する。制式化されているため、4輌と少数であるが正式な量産車となる。 74式戦車の運用寿命の延命も期待され、1992年に製作が行われた。1993年には試作改修型として1輌が完成し、4輌が正式に74式戦車(G)として改修された。車体後部の銘板には「74式戦車(改修)」その下に「形式 74(改)」と表記されている。 従来の74式戦車に、目標の自動追尾機能を兼ね備えたパッシブ式暗視装置や発煙弾発射機と連動するレーザー検知装置、強力なYAGレーザーを使用したレーザー測遠機などを装備したもので、前述の他、90式戦車のものに類似したサイドスカートが装着可能となり、起動輪にはリング状の履帯離脱防止装置を装着している。ロシアやイスラエル等では旧式化した主力戦車をアップグレードする際によく見られる爆発反応装甲の採用はなく、慢性的な人員不足による減車が続いている中で改修より機種更新を優先しているために現在に至るまで採用実績はない。 改修による性能の向上は良好なものであったが、開発当時の改修費用は1億円とも言われ、現有の74式戦車900両のうち500両を改修したすると、90式戦車約50両分の調達数が減ることになり、結果として改修車は試作車を含む5輌のみで終了し、既存車への大規模な整備は見送られた。 正式に改修された4輌は富士教導団戦車教導隊で運用され、富士学校・富士駐屯地の開設記念行事や富士総合火力演習に参加して一般公開されている。その後、改修車4輌はE型に準じた状態に復元されたが、パッシブ式暗視装置及び連動型レーザー検知装置の装備は継続されており、第1機甲教育隊にて運用されていたが、同隊の廃止に伴い全車用途廃止となった。うち1両が駒門駐屯地で保存展示されている。
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