振動抑制
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/20 03:37 UTC 版)
「オーディオ・アクセサリー」の記事における「振動抑制」の解説
オーディオは音の再生を目指し、音は振動であるから、機器の振動は再生音に大きく影響すると考えられる。特に影響が大きいのはレコードプレーヤーとスピーカであるが、アンプや各プレーヤーもその影響を受けてしまうことが近年の研究で明らかになっている。 レコードプレーヤーの場合、レコードの溝の凹凸を針が拾ってゆく構造上、外部からの振動も針が拾ってしまう。従って外部からの振動はすべて再生音に影響する。そのため、足からの振動を伝えないことと、スピーカの音を振動として受け止めないことが要求される。スピーカの場合、それ自体が振動の発信源であるから複雑であるが、不要な振動を与えることも発することも避けるべきである。 それ以外の機器においても、振動はよくないものとされる。CDプレーヤーは内部に回転する構造があるから、振動は悪影響を与える可能性がある。アンプなどについても、やはり振動が悪影響を与えるという声もある。 もちろん、これらの機器ははじめから振動対策がされている。スピーカには、平らな底であるだけのものも多いが、それ以外の機器では、防震対策のなされた足が付属している。それでも、よりしっかりしたものを噛ませる方がよいとの考えから、多くのアクセサリーが開発されている。機器の下に噛ませる型のものをインシュレーターという。 インシュレーター:機器の下に挟んで、それを持ち上げる小さな装置。スペーサー、ベースとも。アンプなどの機器にはじめから装着されている足も、インシュレーターと呼ぶ。構造は様々で、単なるかたまりから、間に柔らかい物を挟んだり、一点で支持するために尖っていたり、あるいはその先端を受ける構造を持っていたりする。素材も鋳鉄、ウレタンやゴムのような柔らかいもの、木や自然石など自然素材から人工素材まで様々。足のないスピーカにはつけた方がよいというのが定説。それ以外の機器では緒論ある。安い機材では本体に直接インシュレータを噛ませるのが効果的、との説も。 オーディオラック:オーディオ機器専用の棚。普通の棚でもよいのだが、オーディオ専用のものは、振動に強い構造や特化した足などを持ち、また配線なども取り回しやすくしてある。スピーカは一緒に載せないのが定説。鋳鉄の振動減衰性を応用したTAOC製が有名。 スピーカースタンド:小型スピーカーやブックシェルフスピーカは、ある程度持ち上げなければならない。棚に置いてもいいのであるが、よりよい再生を求めるには、スピーカースタンドを用いる。これは、スピーカを持ち上げると同時に、周囲からの影響を少なくする効果がある。実際には、スタンドの上にインシュレータを置いて、その上にスピーカを置く、といったことになる。 オーディオボード:制震効果などに配慮して作られた板。大きいスピーカを、直接床に置くのでなく、この板の上に置く。他の機器をその上に置く使い方もある。床の振動や反響を押さえるなどの効果がある。 ケーブル類:先述の電気的な要因以外にも振動による影響があるためPVCなど専用の被覆で内部導体の振動を抑えている。また、ケーブルコネクタも振動を防止する素材や設計が行われている。 チューニングチップ:小さな丸いかたまりであるが、その特殊な構造により、様々な機器に貼り付けると共震を防ぎ、音質がよくなる。CDプレーヤーのスイッチに張るなどが効果が高いとのこと。 スタビライザー:やはり共振を防ぐために使われる。布や板のようなもので、機器の天板などに張る。 ルームチューニンググッズ:いかに再生機器を整備しても、それを聞く部屋が悪ければ、優れた再生は出来ない。専用のリスニングルームを建ててしまえばいいのであるが、それが出来ない場合は、内装を調節して、少しでもよくする、という方法をとらざるをえない。そのための素材である。たとえばスタンディングパネル式のものは、様々な素材で作られた衝立のようなもので、吸音、散乱、反射の様子を変えることで、部屋の中で音がこもったり反響したりするのを防ぐ。壁や天井に張り付けるボードやパネルなどもある。 リスナーが装着するもの:最終的に音を聞くのは人間であるから、装着すればもっと聞こえるようになるアクセサリがある。一般的にはイヤホンやヘッドホンなどである。また、日本でソニーから耳に取り付けて、それを広げた形にして、集音効果を高めるための「付け耳」が販売されたことがある。
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