周囲からの影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 15:47 UTC 版)
島内での地域差があり一つの方言であるとは言えない。語彙・語法では阪神・紀伊・阿波の各系統が島内にあり、「ミーヘン・ミヤヘン」を用いる阪神系が津名郡全域と洲本市の安乎(あいが)と中川原、「ミン・ミヤン」を用いる紀伊方言系が洲本市の由良と灘・三原郡南淡町灘と沼島(ぬしま)、「ミヤセン」を用いる阿波方言系がそれ以外の三原郡全域と洲本旧市内、更に洲本市と五色町南部は阪神系・阿波系の混在地域である。語彙が比較的貧弱で平均的なのは島内の最大都市である洲本市旧市街の言葉「洲本ことば」である。逆に一番特徴的なのが同市内の由良の言葉である。 標準語でいう「バカ」に相当する語は近畿方言に共通して見られる「アホ」の他北淡町ではチャケ゜/ʧaŋe/という言い方が見られる。「汚い」は「キチャナイ」となり、特に北部では「チャナイ」ないし「ヨソワシイ」と言う。「便所」は京阪神・和歌山・岡山で「センチ」(雪隠)と言うのに対し淡路では「センチャ」となり洲本市由良町や灘では「ハコ」または「ンバコ」と言う。 北淡町全域や東浦町の局部では河内弁との類似がみられ、「ヨーキタノーワレ」(よくきたねえ、お前は)、「ソンナコトスッカレ」(「そんな事するかいワレ」相手に対する禁止)という表現がある。 淡路の言葉が地理的に隔たっている摂津・和泉・河内と共通のものがある理由は上代から交易・文化両方の交渉があり、野島海人(のじまのあま)・三原海人(みはらのあま)が浪速から大和にかけて活躍した事が挙げられる。また、紀伊とは漁業者が出買いに赴いて交易を開拓していたという繋がりがある。また、阿波とは江戸時代淡路島が徳島藩の統治下だった関係がある。
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