オーディオラック
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 05:42 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動オーディオラックは、音響機器を収めるための棚および脚部を備えた複数の棚段を持つラックシステムのこと。
概説
一般的には、大きく分けてプロオーディオ向けとホームオーディオ向けの2種類がある。海外ではaudio rack またはhifi rack と表記される。よく使われる素材はスチール、木材、アルミニウムなど。
プロオーディオ向けオーディオラック(別称:スタジオラック)の主な目的は、1Uサイズ以上の音響機材の収納である。前面間口の両横には、それらを取り付けるマウント用の穴を備えており、使用される環境に応じて、キャスターが標準装備されているものや斜めに傾けて使用できるものなど、PAオペレーターやスタジオエンジニアにとっての業務上での使いやすさの追求を主とした設計になっている。適合される規格には、国内のJISと欧米のEIAがある。 コンシューマ機器も含めて一般的にはEIA規格に準拠した機器が多く、 JIS規格は主に放送局などで用いられる。[1]
ホームオーディオ向けのオーディオラックの主な目的は、同じく音響機材の収納を目的としながらも、それに伴う設計理念は各メーカーによって大きく異なり、インテリア性を高めたデザイン追求型から、制振性など高い音響効果を追求した音質重視型まで多様化しており、棚間寸法や規格もメーカーごとに異なる。[2] 同市場に参入する前にメーカーが生業をしていた産業の分野も同様に多様で、元々家具製造業から派生して木材加工技術をラックの製作に応用したブランド(クアドラスパイア、Bassocontinuo、ADK、)、鋳鉄の振動吸収性能に着目した自動車鋳造部品の制振技術ノウハウを音質向上のために独自に応用したブランド(TAOC)など、プロオーディオと異なりユニークな製品が多いこともこれに起因する。
日本国内においては、70年代後半から80年代にかけてホームオーディオブームがあり、多くのオーディオマニアを生み、自作スピーカー派と同様に木材をDIY加工して自作する自作オーディオラック派も多く見受けられた。
また、近年ではより高い音質を求める音響スタジオやプロミュージシャンのプライベートスタジオを中心に、プロオーディオの現場でも高い制振性を備えた音質重視型オーディオラックが着目されており、徐々に導入され始めていることから、ホームオーディオ向けのオーディオラックにも性能と効果に対する確かなエビデンスが求められることが多い。[3]
主要メーカー(国内)
プロオーディオ向け
・キクタ二
ホームオーディオ向け
・ADK
主要メーカー(海外)
プロオーディオ向け
・K&M(ドイツ)
・MIDDLE ATLANTIC (アメリカ)
・Ultimate (アメリカ)
ホームオーディオ向け
・Quadraspire クアドラスパイア(イギリス)
・MUSIC TOOLS (イタリア)
・Bassocontinuo (イタリア)
※()内はメーカー本拠地。製造拠点ではない。
脚注
- ^ “音響設計の補足説明 ラックマウント”. www.ari-co.co.jp. 2022年3月28日閲覧。
- ^ ““音質重視型”「オーディオラック」一挙20モデルを大特集!『季刊Audio Accessory vol.181』好評発売中” (日本語). Phile-web. 2022年3月28日閲覧。
- ^ “【特別対談】タオックのある部屋(1) - TEMASスタジオ(テイチク)に最高峰ラックを導入 (1/4)” (日本語). Phile-web. 2022年3月28日閲覧。
参考文献
関連項目
オーディオラック
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 07:07 UTC 版)
TAOCとしての初のオーディオラックとなったSSシリーズ、次いで1987年に発売されたCSシリーズから現行品のCSR、ASRⅢ、XL、CLシリーズに至るまで、同ブランドのオーディオラックは、鋳鉄の持つ振動減衰機能を一貫してコンセプトとしている。現在のラインナップのフラッグシップモデルのCSR、その開発過程で得たノウハウと近年の研究結果を基にロングセラーのASRⅡの性能を最大限に高めた最新機種のASRⅢ、それら上位機種の高い性能を異なる形でアプローチしたXL、CLシリーズの4機種となっている。このうち、CSRラックには、TAOCオーディオラックで初めて鋳鉄紛を封入した特別仕様の支柱を採用しており、同社のスピーカースタンドの特長をオーディオラックの支柱に持ち込んだようなユニークな設計となっており、2021年現在でも唯一の仕様となっている。それにより、音質改善効果の面においても、通常の支柱よりも高い性能を持たせている。さらに、CSRとASRⅢの棚板には、同ブランドのオーディオボードと同じハニカムコアが採用されているほか、ラックの随所に専用鋳鉄製パーツが採用されている。ハニカムコアとは、2013年に開発された六角形の格子内に鋳鉄紛を適切な量を封入させる製法による構造で、現在のTAOCの音質改善効果の大きなファクターの一つとなっている。ミドルクラスのXLラックの棚板は、制振シートを内蔵させるという構造を採用し、発売された年の2019年にはオーディオ業界において開発賞を受賞している。また、ミドルクラスのXLとエントリークラスのCLは共通して、FCセパレートシステムという、棚板の上下に鋳鉄を配置して挟み込む新構造を採用しており、従来の同クラス製品と比較して高い制振性と音質改善効果を持たせている。
※この「オーディオラック」の解説は、「TAOC」の解説の一部です。
「オーディオラック」を含む「TAOC」の記事については、「TAOC」の概要を参照ください。
- オーディオラックのページへのリンク