抗アレルギー薬とは? わかりやすく解説

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抗アレルギー薬

ぜん息発作予防し、抗炎症があり、長期管理薬として使用される薬剤ぜん息用いられている抗アレルギー薬は、(1)メディエーター遊離抑制インタール®、リザベン®、ソルファ®、ロメット®、アレギサール®、ペミラストン®、タザノール®など)、(2)ヒスタミンH1拮抗作用メディエーター遊離抑制作用併せ持つヒスタミンH1拮抗薬(ザジテン®、セルテクト®、アゼプチン®、ゼスラン®、ニポラジン®など)、(3)ロイコトリエン受容体拮抗薬オノン®、シングレア®、キプレス®、アコレート®)、(4)トロンボキサン阻害薬 i)トロンボキサンA2合成酵素阻害薬(ドメナン®、ベガ®)、iiトロンボキサンA2合成酵素拮抗薬ブロニカ®など)、(5)Th2サイトカイン阻害薬(アイピーディ®)がある。一部薬剤は、成人のみ保険適用になっている

抗アレルギー薬

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/12 10:20 UTC 版)

選択的H1受容体拮抗薬のレボセチリジン

抗アレルギー薬(こうアレルギーやく、antiallergic agent, antiallergic drug)は、アレルギー反応による諸症状を抑制する薬品である。薬理機序にはいくつかあり、メディエーター遊離抑制、トロンボキサンA2英語版阻害、ロイコトリエンLT受容体拮抗、プロスタグランジンD2英語版受容体拮抗、ヒスタミンH1受容体英語版拮抗、Th2サイトカイン阻害などがある。アレルギー性鼻炎、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などに用いられることが多い。

注意すべき併用

抗アレルギー薬には併用時、薬物相互作用に注意しておかなくてはならないものがいくつかある。以下は一例である。

  • ワルファリンとトラニラストを併用すると、肝薬物代謝が阻害され、出血傾向に陥るため、影響が出た場合は併用を中止する。
  • ラマトラバンとアスピリンを併用することで血漿タンパク質の結合率が低下し、遊離型の血中濃度が上昇するため、影響が出た場合は併用を中止する。
  • モンテルカストとフェノバルビタールを併用すると、肝薬物代謝酵素が誘導され、血中濃度が低下してしまうので、影響が出た場合は投与量の増加を検討する。

具体的な抗アレルギー薬

以下に示したものは一例である。

抗アレルギー薬の例一覧
種類 特徴 機序 一般名 商品名 薬効分類
メディエーター遊離抑制薬
  • 眠気がない。
  • 連用で改善率が上昇する。
  • 副作用が出にくい。
  • 効果が出るまで1~2週間を要する。
  • 飲み薬と点鼻薬がある。
マスト細胞からのケミカルメディエーター遊離を阻害 イブジラスト ケタス 2190 4490
クロモグリク酸ナトリウム インタール 2259 4490
トラニラスト リザベン 1319 4490
ペミロラストカリウム アレギサール、ぺミラストン 1319 4490
TXA2阻害薬
  • 眠気がない。
  • 鼻粘膜血管透過性を抑制し、鼻閉を改善する。
  • 鼻閉に対する効果は、第2世代抗ヒスタミン薬よりも優れる。
  • 好酸球浸潤や鼻過敏症を抑制する。
  • くしゃみ、鼻汁にも有効である。
  • 効果発現は1~2週間で認められ、長期連用で改善率が上昇する。
TXA2合成阻害 オザグレル塩酸塩水和物 ドメナン、オサグレル 4490
TXA2受容体阻害 セラトロダスト ブロニカ 4490
ラマトロバン バイナス、ラマトロバン 4490
LT受容体拮抗薬
  • 眠気がない。
  • 鼻粘膜の容積血管拡張や血管透過性を抑制し、鼻閉を改善する。
  • 鼻閉に対する効果は。第2世代抗ヒスタミン薬よりも優れる。
  • 好酸球浸潤や鼻汁分泌を抑制する。
  • 気管支を広げ喘息の咳の発作を抑える。
  • くしゃみ。鼻汁にも有効である。
  • 効果発現は内服開始後1週間で認められ、連用で改善率が上昇する。
LT受容体阻害 プランルカスト水和物 オノン 4490
モンテルカストナトリウム シングレア、キプレス 4490
PGD2受容体拮抗薬
  • 眠気がない。
  • 鼻粘膜の容積血管拡張や血管透過性を抑制し、鼻閉を改善する。
  • 鼻閉に対する効果は、第2世代抗ヒスタミン薬よりも優れる。
  • 好酸球浸潤や鼻汁分泌を抑制する。
  • くしゃみ、鼻汁にも有効である。
  • 効果発現は内服開始後1週間で認められ、連用で改善率が上昇する。
PGD2受容体(CRTH2受容体など)の拮抗阻害 ラマトロバン バイナス、ラマトロバン 4490
H1受容体拮抗薬

第一世代

  • 比較的安全性が高い。
  • くしゃみ、鼻水に有効であるが、鼻閉に効果はない。
  • 口渇、眠気などの副作用がある。
  • 緑内障前立腺肥大症患者に禁忌。
ヒスタミンH1受容体拮抗 ジフェンヒドラミン レスタミン 2642 2649 4419 4441

第二世代

  • 第一世代より副作用が軽減されている。
  • 連用で改善率が上昇する。
  • くしゃみ、鼻水に有効であるが、鼻閉に効果はない。
  • 中枢抑制抗コリン作用などの副作用が少ない。
  • 即効性はあるが、十分な効果の発現まで遅い。
  • 持続が長い。
エピナスチン アレジオン 4490
レボセチリジン ザイザル 4490
フェキソフェナジン アレグラ 4490
Th2サイトカイン阻害薬 {アレルギー・マーチの予防に対する効果が期待されている。
  • IgE抗体を作るTh2リンパ球に作用し、抗体産生を阻害
  • 好酸球の組織湿潤の抑制
スプラタストトシル酸塩 アイピーディ、スプラタストトシル酸塩 4490

関連項目

参考文献


抗アレルギー薬

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 02:53 UTC 版)

気管支喘息」の記事における「抗アレルギー薬」の解説

スプラタミド、ケタスなどといった化学伝達物質阻害剤ケトチフェンアゼラスチンといった抗ヒスタミン剤なども処方されることがあるone airway one diseaseという考え方提唱されており、喘息アレルギー性鼻炎副鼻腔炎同時に治療する効果的考えられている。

※この「抗アレルギー薬」の解説は、「気管支喘息」の解説の一部です。
「抗アレルギー薬」を含む「気管支喘息」の記事については、「気管支喘息」の概要を参照ください。

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