慕容評の失政とは? わかりやすく解説

慕容評の失政

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/26 00:24 UTC 版)

慕容暐」の記事における「慕容評の失政」の解説

同月前秦使者として派遣されていた給事黄門侍郎梁琛鄴に帰還した。梁琛慕容評へ「秦では日夜軍事訓練が行われ、多量兵糧が陝東へ運び込まれおります我が見ますに、今の平和は長く続きますまい。呉王垂も秦へ亡命してまった事で、秦は必ずや我らの隙を衝くでしょう。すぐにでも防備固められますよう。今、中原二つ別れて対立しているのは、互いに相手併呑せんと画策した為ではあり、桓温来寇により秦が援軍出したのは、我らとの友好よるものではありません。もし燕に隙を見つければ、どうして彼らが本来の志を忘れましょうか!」と訴えたが、慕容評取り合わなかった。梁琛慕容暐にもこの事を告げたが、慕容暐もまた応じなかった。皇甫真もまた洛陽太原壷関守備固めて前秦備える様上疎すると、慕容暐慕容評呼び出してこの事を問うた。だが、慕容評は「秦は弱小であり、我らの力を頼みとしております。それに、苻堅国交にはそれなりに気を配っております亡命者口車乗り交流断絶するような事はしないでしょうそれより軽率に動いて相手警戒させる事が紛争の種となるでしょう」と反論し結局軍備増強に動く事はなかった。 前秦黄門石越使者として到来すると、慕容評前燕富盛誇示する為、盛大にもてなした尚書郎高泰太傅参軍劉靖慕容評へ、豪奢な様を見せつけては益々侮られるだけであり、軍事訓練派手に見せて敵の意気喪失させるべきだと訴えたが、慕容評は従わなかった。高泰はこれに失望し病気称して職を辞した当時連年にわたり兵難続き国力大い疲弊したまた、皇太后可足渾氏は国政乱し慕容評財貨貪って飽くことが無かった。そのため、朝廷でも賄賂横行し官吏推挙才能ではなく賄賂によって決まったので、下々には怨嗟の声が溜まった尚書左丞申紹はこの状況憂えて「守宰(郡太守県令などの地方長官)というのは、国家安定させる大本であります。今、守宰は正しい人を得られておらず、時には一兵卒からのし上がった武人であったり、時には貴族の子であったりと、郷里での選挙選ばれた訳ではありません。朝廷の職でもそれは変わらず、法によらず官位変動させ、怠惰な者でも刑罰恐れず、清修な者への褒賞がありません。これにより百姓困弊して盗賊横行し綱紀衰退してしまって互いに乱れ直し合おうという風潮無くなりましたまた、官吏の数もみだりに増え、それが先代越えてしまっております。これにより公私問わず紛然としており、甚だ乱れきっております我が大燕人口は、二寇(前秦東晋)を合わせる程に多く弓馬力強さ四方に及ぶものがおりません。にも関わらず近年幾度も敗戦喫しております。これは全て守宰の租税が公平でなく、侵漁する事を止めないので、兵卒達はみな辛苦して行軍止め、その命に従おうとしないことに由来しておりますまた、後宮には四千人余りおりますが、これに仕える者がさらに外にはおり、一日万金費やすになっておりますさらには士民もこれを真似て奢靡豪華な振る舞い)を競い合っております。あの秦(前秦)や呉(東晋)は愚かに僭称しておりますが、それでも筋道則って統治行っております奴ら天下併呑の志を持っておりますのに、我ら上下ともに一向に改めようとせず、その秩序日毎失われおります我ら乱れそ奴らの望みなのです。どうか守宰の人選をより精細に行い官吏の数を減らして下さい兵家労い公私ともに浪費節減し物品大切にし、功績があった者は必ず賞し、罪を犯した者は必ず罰してくださいますよう。これでこそ、温(桓温)・猛(王猛)を晒し首にする事が出来二方を取る事が出来るのです。境を保って民を安んじるだけに留まりましょうかまた、索頭什翼犍(代王拓跋什翼犍)は疲病により乱れており、貢物乏しといえども煩い為すことも無いでしょうまた、兵を労して遠くこれを征伐しても、損があるだけで益はありません。并州へ軍を動かすよりも、西河控制し、南は壺関固め、北は晋陽重くし、西寇が来たらばこれを拒守してその後ろを断つのです。これは軍隊無用な地の孤立した城を守らせるよりよい計画かと」と上疏し、守宰の人選見直し官吏削減、また経費節減官吏への正し賞罰を行う様訴えたが、聞き入れられる事はなかった。

※この「慕容評の失政」の解説は、「慕容暐」の解説の一部です。
「慕容評の失政」を含む「慕容暐」の記事については、「慕容暐」の概要を参照ください。

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