慕輿根の乱とは? わかりやすく解説

慕輿根の乱

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/29 22:53 UTC 版)

慕容恪」の記事における「慕輿根の乱」の解説

朝廷重臣一人である慕輿根先代からの旧臣であったが、過去勲功ひけらかす事がしばしばあり、その挙動には傲慢さ満ちていた。また、心中では慕容恪の事を見下しており、隙あらば朝廷混乱させて自らが政権掌握しようと考えていた。当時皇太后の可足渾氏は政治深く介入していたので、慕輿根はこれを契機とみて慕容恪へ「今、主上慕容暐)はまだ幼く母后(可足渾氏)は政事深く干渉しております殿下慕容恪)は楊駿諸葛元遜諸葛恪)の身に起こった変事をよく考え、自らの身の安全を保つにはどうすべきかよくお考え下さい。それに、天下定めたのはまさしく殿下功績中原制圧した事を指す)であり、兄が死んで弟が受け継ぐのは古今習わしでもあります(殷の時代の法であった)。先帝埋葬済み次第主上廃立して代わって王になられるのが宜しいかと思います殿下が自ら尊位(皇帝の位)に即くことで、この大燕無窮の幸福をもたらすことになりましょう」と進言し、両者仲違いようとした。だが、この発言慕容恪憤慨し「公(慕輿根)は酔っているのか。何というたわけた事を言うのだ。我と公は先帝より遺詔受けているというのに、どうしてそのような議論をするのだ。昔、曹臧(春秋時代曹の宣公の子公子欣時、字は子臧)と呉春秋時代呉の公族季札はいずれ家難の際にあったが、それでもなお君主となる事はその節非ずと言ったのだ。今、儲君皇太子の事。ここでは慕容暐の事)が後を継いで四海患いなく国を統べているというのに、遺言受けた宰輔宰相)がどうして私議を語るのか!公は先帝お言葉忘れたというのか」と叱責したので、慕輿根はひどく恥入り謝罪して退出した慕容恪はこの一件について弟の慕容垂告げると、彼は慕輿根を誅殺するよう勧めた。しかし慕容恪は「今、大喪慕容儁崩御)があったばかりであり、二隣(東晋前秦)が隙を窺っている。山陵慕容儁陵墓)すらまだ建てられていないのに、宰輔宰相同士殺し合ってしまえば遠近の民の人心離れてしまうだろう今は忍ぶべきだ」と述べ、従わなかった。秘書監皇甫真もまた慕容恪へ「根(慕輿根)という男は、根はもともと凡庸なに過ぎないのに、先帝厚恩を賜って今の地位まで引き立てられたのです。しかしその本性は見識のない小人のままであり、それが先帝崩御以来日に日にひどくなっておりますこのままでは大乱至ります。明公慕容恪)は周公旦のごとき地位にあるからには社稷考えて速やかにこれを除くべきでしょう」と勧めたが、慕容恪国内動揺憂えて従わなかった。 遂に慕輿根武衛将軍慕輿干と結託し慕容恪同じく朝廷重鎮である慕容評ともども誅殺しようと企むようになった。その為、慕輿根は可足渾氏と慕容暐の下へ出向くと、彼らへ向けて太宰慕容恪)と太傅慕容評)が謀反企てております。臣が禁兵近衛兵)を率いて彼らを誅殺し、社稷安んじることをお許しください」と偽りの進言行った。可足渾氏はこれを信用して許可しようとしたが、慕容暐が「二公は国家の親賢(親族賢臣)です。先帝により選ばれ孤児寡婦慕容暐と可足渾氏)の補佐をしてくれているのです。必ずやそのような事はしません。それに、太師こそが造反考えているのでないとも限らないでしょう!」と反対したため取りやめとなったまた、慕輿根東土中国東側前燕がかつて本拠地としていた遼西地方を指す)を懐かしみ、可足渾氏と慕容暐向けて「今、天下混迷し、外敵も一つではありません。この国難大い憂えているところであり、東の地へ戻られるべきかと存じます」と訴え還都強行しようとしたが、慕容暐止められた事もあった。 ここにおいて次第慕輿根反心が明らかとなり、これを聞いた慕容恪遂に誅殺決め慕容評と謀って密かにその罪状奏上した。これにより慕輿根秘書監皇甫真・右衛将軍傅顔により捕らえられると、宮殿内誅殺された。彼の妻子側近同じく罪に伏して処刑され慕輿根ともども首は東市晒された。 後に慕容恪皇甫真へ「汝の建議に従わなかったせいで、もう少しで禍敗を引き起こすところであった」と述べ忠告に従わなかった事を謝罪した

※この「慕輿根の乱」の解説は、「慕容恪」の解説の一部です。
「慕輿根の乱」を含む「慕容恪」の記事については、「慕容恪」の概要を参照ください。

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