慕容翰の帰還
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 20:48 UTC 版)
慕容翰はかつて段部へ亡命していたが、段部が滅んだ後は宇文部へ身を寄せていた。彼はもともと慕容皝に造反したわけではなく、疑われることを嫌って国を出奔しただけであり、また他国へ亡命してからも何かと前燕の為に便宜を図っていたので、慕容皝もまた次第に彼のことを気にかけるようになっていた。340年、慕容皝は商人の王車を間者として宇文部へ派遣すると、慕容翰の動向を探らせた。慕容翰は市場で王車と接触すると、何も言わずただ胸を撫で、頷くのみだった。帰還した王車から報告を受けた慕容皝は「翰(慕容翰)は帰りたいのだ」と喜んだ。そこで、再び王車を派遣して慕容翰を迎えさせた。慕容翰は三石余りの強さがある弓を使っており、矢も通常の物より長くて大きいものを用いていたため、慕容皝はこれを造って王車へ持たせた。王車は慕容皝の命令通り、これを道の傍らへ埋める事で慕容翰へ慕容皝の意向を伝えた。慕容翰はこれに応じて宇文部を脱出し、無事に本国へ帰還を果たすと、慕容皝は大いに喜び、以降彼を厚く恩遇した。
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