徳島市公安条例3条3号、5条と道路交通法77条、119条1項13号との関係についてとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 徳島市公安条例3条3号、5条と道路交通法77条、119条1項13号との関係についての意味・解説 

徳島市公安条例3条3号、5条と道路交通法77条、119条1項13号との関係について

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/07 14:14 UTC 版)

徳島市公安条例事件」の記事における「徳島市公安条例3条3号、5条と道路交通法77条、119条1項13号との関係について」の解説

道路交通法は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図ること等、道路交通秩序の維持目的として制定されたものである。 これに対し徳島市公安条例対象とする集団行動は、表現の自由として憲法上保障されるべき要素有するのであるが、単なる言論出版等よるもの異なり多数人の身体的行動を伴うものであって多数人の集合体の力、つまり潜在する一種物理的力によつて支持されていることを特徴とし、したがって、それが秩序正しく平穏に行われない場合にこれを放置するときは、地域住民又は潜在者の利益害するばかりでなく、地域平穏をさえ害するに至るおそれがあるから、本条例は、このような不測の事態にあらかじめ備え、かつ、集団行動を行う者の利益とこれに対立する社会的利益との調和を図るため、集団行進等につき事前届出を必要とするとともに集団行進等を行う者が遵守すべき事項定め遵守事項違反した集団行進等の主催者指導者又はせん動者に対し罰則定め、もつて地方公共安寧秩序の維持を図つているのであるこのように道路交通法道路交通秩序の維持目的とするのに対し徳島市公安条例道路交通秩序の維持とどまらず地方公共安寧秩序の維持という、より広はん、かつ、総合的な目的有するのであるから、両者はその規制目的を全く同じくするものとはいえないのである。 ところで、地方自治法141項は、普通地方公共団体法令違反しない限りにおいて同法2条2項事務関し条例制定することができる、と規定しているから普通地方公共団体制定する条例が国の法令違反する場合には効力有しないことは明らかであるが、条例が国の法令違反するかどうかは、両者対象事項規定文言対比するのみでなく、それぞれの趣旨目的内容及び効果比較し両者の間に矛盾牴触があるかどうかによつてこれを決しなければならない例えば、ある事項について国の法令中にこれを規律する明文規定ない場合でも、当該法令全体からみて、右規定欠如が特に当該事項についていかなる規制をも施すことなく放置すべきものとする趣旨であると解されるときは、これについて規律設け条例規定は国の法令違反することとなりうるし、逆に特定事項についてこれを規律する国の法令条例とが併存する場合でも、後者前者とは別の目的に基づく規律意図するものであり、その適用によつて前者規定意図する目的と効果をなんら阻害するとがないときや、両者同一目的出たものであつても、国の法令が必ずしもその規定によつて全国的に一律に同一内容規制を施す趣旨ではなくそれぞれの普通地方公共団体において、その地方実情に応じて別段規制を施すことを容認する趣旨であると解されるときは、国の法令条例との間にはなんらの矛盾牴触はなく、条例が国の法令違反する問題生じえないのである。 これを道路交通法77条及びこれに基づく徳島県道交通施行細則本条例についてみると、徳島市内の道路における集団行進等について、道路交通秩序維持のための行為規制施している部分に関する限りは、両者規律併存競合していることは、これを否定することができないしかしながら道路交通法771項4号は、同号に定め通行形態又は方法による道路の特別使行為等を警察署長許可によつて個別的に解除されるべき一般的禁止事項とするかどうかにつき、各公安委員会当該普通地方公共団体における道路又は交通状況に応じてその裁量により決定するところにゆだね、これを全国的に一律に定めることを避けているのであつて、このような態度から推すときは、右規定は、その対象となる道路の特別使行為等につき、各普通地方公共団体が、条例により地方公共安寧秩序の維持のための規制を施すにあたり、その一環として、これらの行為対し道路交通法による規制とは別個に交通秩序の維持見地から一定の規制を施すこと自体排斥する趣旨まで含むものとは考えられず、各公安委員会は、このような規制施した条例存在する場合には、これを勘案して、右の行為対し道路交通法前記規定に基づく規制を施すかどうかまた、いかなる内容規制を施すかを決定することができるものと解するのが、相当である。そうすると道路における集団行進等に対す道路交通秩序維持のための具体規制が、道路交通法77条及びこれに基づく公安委員会規則条例双方において重複して施されている場合においても、両者内容矛盾牴触するところがなく、条例における重複規制がそれ自体としての別の意義効果有し、かつ、その合理性肯定される場合には、道路交通法による規制は、このような条例による規制否定排除する趣旨ではなく条例規制及ばない範囲においてのみ適用される趣旨のものと解するのが相当であり、したがつて、右条例をもつて道路交通法違反するものとすることはできない。 ところで、本条例は、さきにも述べたように、道路交通法等による規制とその目的及び対象において一部共通するものがあるにせよ、これとは別個に、それ自体として独自の目的と意義有しそれなりにその合理性肯定することができるものである。もっとも、本条5条は、3条規定違反する集団行進等の主催者指導者又はせん動者に対して1年以下の懲役若しくは禁錮又は5万円以下の罰金科するものとしているのであつて、これを道路交通法1191項13号において同法773項により警察署長付した許可条件違反したに対して3月以下の懲役又は3万円以下の罰金科するものとしているのと対比するときは、同じ道路交通秩序維持のための禁止違反対す法定刑相違があり、道路交通法所定の刑種以外の刑又はより重い懲役罰金の刑をもつて処罰されることとなつているから、この点において本条例は同法違反するものではないかという疑問出されるかもしれないしかしながら道路交通法の右罰則は、同法七七所定規制実効性担保するために、一般的に同条の定め道路の特別使行為等についてどの程度違反生ず可能性があるか、また、その違反道路交通の安全をどの程度侵害する危険があるか等を考慮して定められたものであるのに対し本条例の罰則は、集団行進等という特殊な性格行動が帯有するさまざまな地方公共安寧秩序侵害可能性及び予想される侵害性質程度等を総体的に考慮し殊に道路における交通の安全との関係では、集団行進等が、単に交通の安全を侵害するばかりでなく、場合によつては、地域平穏を乱すおそれすらあることをも考慮してその内容定めたものと考えられるそうすると、右罰則法定刑として道路交通法には定めのない禁錮刑をも規定し、また懲役罰金の刑の上限を同法より重く定めていても、それ自体としては合理性有するものということができるのである。そして、前述のとおり条例によつて集団行進等について別個の規制を行うことを容認しているものと解される道路交通法が、右条例においてその規制実効あらしめるための合理的な別の罰則定めることを否定する趣旨含んでいるとは考えられないところであるから本条五条規定法定刑の点で同法違反して無効であるとすることはできない。 以上のとおり、本条例33号5条規定は、道路交通法771項4号、4項、1191項13号徳島県道交通施行細則113号違反するものということはできないから、本条例33号定め遵守事項内容についても、道路交通法との関係からこれ限定加えて解釈する要はないというべきである。

※この「徳島市公安条例3条3号、5条と道路交通法77条、119条1項13号との関係について」の解説は、「徳島市公安条例事件」の解説の一部です。
「徳島市公安条例3条3号、5条と道路交通法77条、119条1項13号との関係について」を含む「徳島市公安条例事件」の記事については、「徳島市公安条例事件」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「徳島市公安条例3条3号、5条と道路交通法77条、119条1項13号との関係について」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「徳島市公安条例3条3号、5条と道路交通法77条、119条1項13号との関係について」の関連用語

徳島市公安条例3条3号、5条と道路交通法77条、119条1項13号との関係についてのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



徳島市公安条例3条3号、5条と道路交通法77条、119条1項13号との関係についてのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの徳島市公安条例事件 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS