当事者の記録と、第三者の反証
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/08 15:11 UTC 版)
「アルジャー・ヒス」の記事における「当事者の記録と、第三者の反証」の解説
ジョン・ローウェンサール(弁護士) ヒスとされている暗号名”アレス”はGRU(軍)のために働いているが、国務省のヒスは非軍事情報しか入手できない。 ヒスはマーシャル・プランで、ソビエト封じ込め政策を支持している。 ヒスはヤルタ会談後モスクワに行ったので、GRUは直接本人と話せるはずだが、副外相のアンドレイ・ヴィシンスキーに伝言を頼んだことは矛盾する。 FBIは国務省の文書をコピーした『ボルチモア文書』が、ヒスのタイプライターの製造日とシリアル番号が異なる偽造と知りながら隠蔽(上訴も棄却)。 リチャード・ニクソンが無罪判決を下した陪審員は、下院非米活動委員会に召喚される可能性があると示唆。 ノエル・フィールドはヘーデ・マッシングの証言について、『偽証で法外な嘘』という手記を書き、ヒスの無実を主張し続けた。 多くは伝聞証拠であり、暗号名は使い回されている上に、国務省には同姓の人物がいたので、アレジャー・ヒスをスパイと裏付ける証拠はない。 チェスター・レーン(弁護士) ボルチモア文書が捏造された証拠で、ヒスは冤罪だと証明できる。 ラッセル・ブラッドフォード(ロングビーチ警察歴史協会) ラルフ・ブラッドフォード(政治家) FBIは他のタイプライターで、同じ文書を偽造できると知りながら隠蔽した。 アンソニー・サマーズ(ノンフィクション作家) 元ホワイトハウス顧問のジョン・ディーンは回顧録で、ニクソン大統領の主任弁護士チャールズ・コルソンが、ニクソンは下院非米活動委員会がタイプライターを複製したのを認めたと述べている。ニクソンは否定したが元FBI副長官のサリヴァンは、証拠を捏造するようFBIに依頼したら「フーバーは喜んで引き受けただろう」と語った。サマーズは偽造や偽情報を仕込んだ、不穏な記録があると指摘している。 アラン H. ベルモント(FBI情報部長) (上記の理由から)ベノナ文書を証拠として採用するのは不適切。 アメリカ国家安全保障局(NSA) (上記の理由から)KGBの記録に、ヒスの名前が発見されたと”推定される”。アレスは”恐らく”ヒスであるとして、断定はしていない。 ジェフ・キッセロフ(歴史家) ヒスに関する矛盾点 暗号名”アレス”がメキシコシティにいた頃、ヒスはワシントンにいた。 ノエル・フィールド(NKVDのスパイ)を採用したとされる時期、フィールドはロンドン軍縮会議のため、アメリカ国内にいなかった。 ウィテカー・チェンバース(元共産党員)が証言した、ヒスが持ち帰ったとされるメモは彼の事務所になかった。 ヘーデ・マッシング(共産主義者)は、国外追放の圧力の下で証言しており、虚偽の陳述をしている。 マッシングはヒスに会う1週間前、(氷点下になる)真冬のポトマック川で夫と遊泳したと証言。 マッシングは彼女の本を精査したFBIに、事実を隠すために捏造したことを認めた。 ヒスが米共産党の主宰者に車を寄付したという件で、譲渡証明書の署名が偽造されていた。 ドミトリー・ヴォルコゴノフ上級大将(反ソ連の公文書監督者) ヒスがソ連の代理人として働いたことは一度もない。 ジュリアス・コビャコフ少将(SVR) マッシングとフィールドの個人ファイルを調べたが、ヒスに関するものは1つもなかった。ヒスは”アレス”ではない。 ヴィクター・ナヴァスキー(ジャーナリスト) アレン・ワインスタインの著書『偽証罪: ヒス・チェンバース事件』に登場する全員が誤用されたと答え、その1人サム・クリーガーはワインスタインから慰謝料をもらい、謝罪と訂正を公表すると約束したが守られていない。 ベノナ文書を根拠にヒスをスパイとする人々は、みずからが支持する情報だけを集めて、ウラジーミル・パブロフ(外交官)が回顧録で否定した事など、相反する反証を無視している。ベノナ文書は冷戦構造を歪曲するために利用された。 ハーベイ・クレーア(歴史学教授) 『米国にソ連のスパイがいた』は大局的に正しいが、局所的には間違っていて単なる魔女狩りだった。小物のスパイは判明したが、その他は立証されていない。 アサン・テオハリス(FBI/ジョン・エドガー・フーヴァー/米諜報機関専門の歴史家) FBIはマッカーシズムを促進しながら、防諜の失敗を隠ぺいした。 アレン・ワインスタイン(官僚・歴史家・大学教授) ベノナ文書は説得力はあるが、決定的ではない。 エドゥアルト・マーク(研究家) ヒスは”アレス”だった可能性のある1人にすぎない。
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当事者の記録と、第三者の反証
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「ベノナ」の記事における「当事者の記録と、第三者の反証」の解説
ジョン・ローウェンサール(弁護士) ヒスとされている暗号名”アレス”はGRU(軍)のために働いているが、国務省のヒスは非軍事情報しか入手できない。 ヒスはマーシャル・プランで、ソビエト封じ込め政策を支持している。 ヒスはヤルタ会談後モスクワに行ったので、GRUは直接本人と話せるはずだが、副外相のアンドレイ・ヴィシンスキーに伝言を頼んだことは矛盾する。 FBIは国務省の文書をコピーした『ボルチモア文書』が、ヒスのタイプライターの製造日とシリアル番号が異なる偽造と知りながら隠蔽(上訴も棄却)。 リチャード・ニクソンが無罪判決を下した陪審員は、下院非米活動委員会に召喚される可能性があると示唆。 ノエル・フィールドはヘーデ・マッシングの証言について、『偽証で法外な嘘』という手記を書き、ヒスの無実を主張し続けた。 多くは伝聞証拠であり、暗号名は使い回されている上に、国務省には同姓の人物がいたので、アレジャー・ヒスをスパイと裏付ける証拠はない。 チェスター・レーン(弁護士) ボルチモア文書が捏造された証拠で、ヒスは冤罪だと証明できる。 ラッセル・ブラッドフォード(ロングビーチ警察歴史協会) ラルフ・ブラッドフォード(政治家) FBIは他のタイプライターで、同じ文書を偽造できると知りながら隠蔽した。 アンソニー・サマーズ(ノンフィクション作家) 元ホワイトハウス顧問のジョン・ディーンは回顧録で、ニクソン大統領の主任弁護士チャールズ・コルソンが、ニクソンは下院非米活動委員会がタイプライターを複製したのを認めたと述べている。ニクソンは否定したが元FBI副長官のサリヴァンは、証拠を捏造するようFBIに依頼したら「フーバーは喜んで引き受けただろう」と語った。サマーズは偽造や偽情報を仕込んだ、不穏な記録があると指摘している。 アラン H. ベルモント(FBI情報部長) (上記の理由から)ベノナ文書を証拠として採用するのは不適切。 アメリカ国家安全保障局(NSA) (上記の理由から)KGBの記録に、ヒスの名前が発見されたと”推定される”。アレスは”恐らく”ヒスであるとして、断定はしていない。 ジェフ・キッセロフ(歴史家) ヒスに関する矛盾点 暗号名”アレス”がメキシコシティにいた頃、ヒスはワシントンにいた。 ノエル・フィールド(NKVDのスパイ)を採用したとされる時期、フィールドはロンドン軍縮会議のため、アメリカ国内にいなかった。 ウィテカー・チェンバース(元共産党員)が証言した、ヒスが持ち帰ったとされるメモは彼の事務所になかった。 ヘーデ・マッシング(共産主義者)は、国外追放の圧力の下で証言しており、虚偽の陳述をしている。 マッシングはヒスに会う1週間前、(氷点下になる)真冬のポトマック川で夫と遊泳したと証言。 マッシングは彼女の本を精査したFBIに、事実を隠すために捏造したことを認めた。 ヒスが米共産党の主宰者に車を寄付したという件で、譲渡証明書の署名が偽造されていた。 ドミトリー・ヴォルコゴノフ上級大将(反ソ連の公文書監督者) ヒスがソ連の代理人として働いたことは一度もない。 ジュリアス・コビャコフ少将(SVR) マッシングとフィールドの個人ファイルを調べたが、ヒスに関するものは1つもなかった。ヒスは”アレス”ではない。 ヴィクター・ナヴァスキー(ジャーナリスト) アレン・ワインスタインの著書『偽証罪: ヒス・チェンバース事件』に登場する全員が誤用されたと答え、その1人サム・クリーガーはワインスタインから慰謝料をもらい、謝罪と訂正を公表すると約束したが守られていない。 ベノナ文書を根拠にヒスをスパイとする人々は、みずからが支持する情報だけを集めて、ウラジーミル・パブロフ(外交官)が回顧録で否定した事など、相反する反証を無視している。ベノナ文書は冷戦構造を歪曲するために利用された。 ハーベイ・クレーア(歴史学教授) 『米国にソ連のスパイがいた』は大局的に正しいが、局所的には間違っていて単なる魔女狩りだった。小物のスパイは判明したが、その他は立証されていない。 アサン・テオハリス(FBI/ジョン・エドガー・フーヴァー/米諜報機関専門の歴史家) FBIはマッカーシズムを促進しながら、防諜の失敗を隠ぺいした。 アレン・ワインスタイン(官僚・歴史家・大学教授) ベノナ文書は説得力はあるが、決定的ではない。 エドゥアルト・マーク(研究家) ヒスは”アレス”だった可能性のある1人にすぎない。 ヴィターリー・パヴロフ中将(NKVD米国部副部長) ハリー・ホワイトは工作対象でスパイではない。財務省には2人のエージェントがいて、それ以上の情報源は不要だった。 ブルース・クレイグ(諜報専門の歴史家) 交換された情報は法律の範囲内だったため、多くの人はホワイトの行動をスパイ行為と見なしておらず、現在の法的基準でもスパイ行為には当たらない。 ベン・ステイル(経済学者) ホワイトはマルクス主義者ではなく、ケインズ経済学派である。
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