大聖堂のゴシック様式とは? わかりやすく解説

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大聖堂のゴシック様式

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/30 22:57 UTC 版)

聖ヴィート大聖堂」の記事における「大聖堂のゴシック様式」の解説

現在のゴシック様式大聖堂1344年11月21日設立され、これよりプラハ司教区大司教区上げられた。その後援者には、大聖堂首席司祭リーダーとする参事会パルドゥビツェのアルノスト大司教とりわけボヘミア王神聖ローマ皇帝にもなったカレル1世挙げられるカレル新し大聖堂を、即位式を行う教会一族地下納骨堂王国で最も貴重な遺物保管庫、そして守護聖人ヴァーツラフ最後休息地であり巡礼地となるよう取り計らった最初建築家としてフランス人アラスマティアアヴィニョン教皇庁宮殿から召喚された。マティアは、フレンチ・ゴシック様式取り入れて建物レイアウト全般デザインした例え身廊3本バシリカフライング・バットレス飛び梁)、短い翼廊ベイ5つクワイヤ回廊のある十角形アプス放射状礼拝室である。しかし彼の生前建設されたのは、クワイヤ東端部分アーケード回廊だけであった後期フレンチゴシックに特有な垂直性の乏しさ頑ななまでの大きさへの傾倒彼の功績今日伝えている。 マティア1352年に世を去ると、新し建築家大聖堂仕事引き継いだ。これがペトル・パルレーシュ当時わずか23歳シュヴァーベンのグミュントにあるハイリゲン・クロイツ教会建築家息子だった。パルレーシュは最初前任者残した計画通り動いてクワイヤの北に聖器保管室を、南に教会堂作ったマティア未完のまま残した部分完成させると、自分自身アイデアにしたがって仕事続けた。パルレーシュの大胆革新的なデザインは、建築ゴシック要素新し独特な風合いもたらした。これが顕著に表れているのが、クワイヤに彼がデザインしたヴォールトである。いわゆるパルレーシュのヴォールトもしくはネット・ヴォールトでは、クワイヤベイ斜めに横切るリブが、古典的なゴシック様式交差ヴォールトのように1本ではなく、2本ある。網目状リブ交差するためネット・ヴォールトと呼ばれヴォールトをかなり補強することができる。それらのリブ天井装飾リズム感を生み、ヴォールトベイあいまって大聖堂長辺ダイナミックなジグザグパターンを生み出すアラスマティア幾何学者として学問修め上記のように厳密な均衡強調して数学的明快な配置デザインしたのに対し、パルレーシュは彫刻家木彫師として修行した。彼は建築彫刻とみなし、まるで石の造形楽しんでいるかのようだった。かなり大胆に作ったヴォールト以外にも、彼の作品特異性様々な箇所見られるピラーデザイン古典的な釣鐘型ので、盛期ゴシックではほぼ忘れ去られたものである。また新し聖ヴァーツラフ礼拝堂巧妙な丸天井ヴォールトクリアストーリの壁の波型、バットレス隠れたトレサリーのパネル特異性挙げられる。独自のトレサリーには常に異なった装飾施され二つとして同じものがない。パルレーシュが建設担当している間は、コーベル通路の窓の横木のように建築彫刻重要視され、特にトリフォリウムの胸像には、王族聖人プラハ司教、パルレーシュ自身を含む二人建築家の顔が彫られている。 しかし大聖堂作業進行はかなり遅かった皇帝はパルレーシュに、他の多くプロジェクト大聖堂同時期に課しており、プラハ新しくカレル橋けたり、チェコ全域多く教会建設したりしていたからである。1397年ペトル・パルレーシュ逝去しときにはクワイヤ翼廊部分だけが完成していた。 ペトル・パルレーシュ死後彼の息子のヴェンツェル・パルレーシュとヨハン・パルレーシュが作業引き継いだ。彼らの後は、名工ペトリルクが引き継いだが、彼はパルレーシュの工房職人でもあったというのが衆目一致するところである。彼ら3人の名匠の下、翼廊南側大塔完成した。そして塔と南の翼廊をつなぐ破風完成した通称ゴールデン・ゲート上部「最後の審判」金色モザイクがあるためそう呼ばれるこの門は、王が即位式に臨むため大聖堂へと通り抜ける入り口である。 建築過程すべては15世紀前半起きたフス戦争開始により停止した。ほぼ1世紀わたって確実な作業続けてきた工房戦争により活動止め多くの絵や彫刻などの大聖堂内装フス派聖像破壊運動によってかなり被害受けた。さらに、1541年大火大聖堂にひどい損壊与えた

※この「大聖堂のゴシック様式」の解説は、「聖ヴィート大聖堂」の解説の一部です。
「大聖堂のゴシック様式」を含む「聖ヴィート大聖堂」の記事については、「聖ヴィート大聖堂」の概要を参照ください。

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