大室古墳群とは? わかりやすく解説

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大室古墳群

名称: 大室古墳群
ふりがな おおむろこふんぐん
種別 史跡
種別2:
都道府県 長野県
市区町村 長野市松代町
管理団体
指定年月日 1997.07.28(平成9.07.28)
指定基準 史1
特別指定年月日
追加指定年月日
解説文: 大室古墳群は長野県市街南東約六キロメートル所在し前方後円墳一基を含む五世紀前半から八世紀にかけて築かれ合計〇〇基以上の古墳からなる古墳は、千曲川南側丘陵から派生する三つ屋根上と、それに挟まれ二つ谷部立地し標高三五〇から七〇〇メートル、約二・五キロメートル平方範囲分布する古墳群は、西から金井山北谷霞城大室谷、北山大小五つの支群に分かれ、さらに各支群は十数基あるいは数十基の小支群に細分される今回指定する大室谷支群は、約二四〇基の古墳構成され、支群としては最大規模をもち、発掘調査によってその内容判明している。
 本古墳群大規模であることに加えて二つ大きな特徴をもつことで学界で著明である。その一は、墳丘を石を用いて構築したいわゆる積石塚古墳群中の大半占めていることである。昭和二十年以降栗林紀道が精力的に行った基礎的な分布調査と、昭和四十五年から長野市実施した分布調査結果によると、総数五〇五基の古墳のうち、積石塚四〇〇基以上存在し、特に谷部にある北谷支群、大室谷支群に集中して分布することが明らかとなった積石塚墳形は、ほとんどが直径一〇メートル程度円墳であるが、長方形墳の形態をとるものも存在するわが国では極めて稀な存在である積石塚が、これだけ多く密集する古墳群国内には他に存在しない
 その二は、埋葬施設として横穴式石室あるいは箱式石棺主体をなす本古墳群積石塚のなかに、合掌石室と呼ぶ特異な構造備えたものが存在することである。石棺石室天井部に板状の石を三角形切妻屋根型に組み合わせて架設した合掌石室は、全国四〇例ほどしか知られておらず、一基を除くすべて長野県善光寺平分布する。しかも二五基が大室古墳群に集中している。
 昭和五十九年から、明治大学考古学研究室は、特に大室谷支群を調査対象区域として、約三〇基の古墳発掘測量調査実施してきた。その結果から、各小支群には合掌石室をもつ古墳一基から二基含まれる推察されている。また、出土遺物検討からは、合掌石室墳の築造は五世紀中葉には始まっており、小支群を構成する古墳のなかでは、最初に採用され墳墓形態であることも明らかとなった
 出土遺物は、土師器須恵器珠文鏡・短甲馬具鍬・刀子・玉類・馬骨等で、なかでも馬具が多いことは本古墳群特色といえる馬骨頭骨のみであり、横穴式石室前庭部多量土師器須恵器と共に土坑に埋納されていた。
 このように、大室古墳群は日本最大積石塚古墳群として重要である。また、積石塚は高句〓(*1)の墓制と、特徴的な合掌石室百済墓制との関係を指摘する意見もある。
 さらに、馬具馬骨等の馬に関係する出土遺物が多いことは、本古墳群被葬者古代馬匹生産深く関わっていたことを示唆し、『延喜式』にある信濃一六牧のひとつ「大室牧」の存在とも符合するとともに古代官牧発生に関して貴重な資料提供した。よって、史跡指定し、その保存図ろうとするものである




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