馬骨とは? わかりやすく解説

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馬骨

読み方:うまのほね

  1. 何処の者とも素性知れぬ人を嘲けり云ふ語。「何処の-か牛の骨知れない人間だ」。
  2. 血統素姓知れぬもののことをいふ。牛の骨ともいふ。
  3. 血統素性知れない者のことをいふ。又牛の骨とも云ふ。
  4. 氏も素性知れない者 馬の骨、箸等の細工物作るが、他の骨に比較し駄物安物だから。〔俗〕

分類 俗語、俗/一般東京

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馬骨

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/18 06:06 UTC 版)

佐川町教育委員会蔵『土佐お化け草紙』より「馬骨」(向かって左)と「宿守

馬骨(ばこつ)は、江戸時代に描かれた妖怪絵巻土佐お化け草紙』に描かれている妖怪

概要

『土佐お化け草紙』に描かれているの妖怪で、蝦蟇の妖怪「宿守」(やどもり)と室内に釣られた蚊帳(かや)の中で向かい合っている様子が描かれている。火事で焼け死んだ馬が化けたものであると記載されている。

馬の骨と火

江戸時代には、馬の骨から採った脂肪分から製した粗悪で廉価な蝋燭が「馬の骨」[1]とも称されていた。また「どこの馬の骨(牛の骨)だか知れない」や「どこの牛の骨とも馬の骨ともつかぬ」などの慣用句・ことわざの語源俗解の一つに、火事で焼けた馬やの骨のことを示したものがあり、絵巻物でこの妖怪に付けられている「火」に関する解説はそのような内容を踏まえたものとも見られる。

飼育している牛馬を火事に巻き込んで殺してしまうのはよくないとする俗信は全国各地にあり、家が栄えない(山口県[2])、七代祟る(静岡県[3]山梨県[4]愛知県[5][6]福井県[7])などと言われていた。東北地方などでは「馬は火を恐れる動物」とされ、火事のときに火を目にすると動けなくなってしまうとも語られていた[2]

狐火としてたちが燃やす火の燃料には「馬の骨」が用いられる[8]とも考えられていた。

脚注

  1. ^ 小学館国語辞典編集部 『精選版 日本国語大辞典』 小学館
  2. ^ a b 常光徹「妖怪絵巻と民間説話――「土佐お化け草紙」の民俗的背景」 国立歴史民俗博物館 編 『異界談義』 角川書店、2002年。21-26頁。
  3. ^ 藤枝市史編纂委員会 編 『藤枝市史』上巻 藤枝市、1970年。808頁。
  4. ^ 韮崎市誌編纂専門委員会 編 『韮崎市誌 下巻』 韮崎市、1979年。393頁。
  5. ^ 渥美町町史編さん委員会 編 『渥美町史 考古・民俗編』 渥美町、1991年。500頁。
  6. ^ 小坂井町誌編纂委員会 編 『小坂井町誌』 小坂井町、1976年。378頁。
  7. ^ 中平悦磨「若狭の俗信」『民俗学』4巻6号 民俗学会、1932年。36頁。
  8. ^ 濱田敦佐竹昭広・笹川祥生 編 『塵添壒嚢鈔・壒嚢鈔」臨川書店、1968年。172頁

参考文献



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