宿守とは? わかりやすく解説

やど‐もり【宿守】

読み方:やどもり

家を守ること。また、家の番人留守居

「この—なる男を呼びて」〈源・夕顔


宿守

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/21 03:00 UTC 版)

個人蔵版『土佐お化け草紙』より「宿守」(向かって右)と「馬骨

宿守(やどもり)は、江戸時代に描かれた妖怪絵巻土佐お化け草紙』に描かれている妖怪

概要

『土佐お化け草紙』に描かれている蝦蟇の妖怪で、の妖怪「馬骨」(ばこつ)と室内に釣られた蚊帳(かや)の中で向かい合っている様子が描かれている。蝦蟇を殺した人間の寝室の中へやって来ると記載されている。

蝦蟇としてのヤドモリ

本来、ヤドモリというのは四国地方でのヒキガエルの地方名[1]であり、呼称としては妖怪のみをさす固有名詞ではない。土佐国高知県)ではクツヒキやオクツ、ヤモリやヤモリグツ[1][2][3]と呼ばれることのほうが多かったようである。

ヤドモリ(宿守)やヤモリ(屋守)という名称は、家を護ると信じられていた点からつけられており、愛媛県宇和地方では盗人が侵入して来たことを「宿守」が知らせる[4]、高知県では床下にこれが住んでいれば嵐のときに大黒柱を抱いて家を護ってくれる[3]、ヤドモリが護っている家には火事が起こらない[5]などの俗信が見られる。

『土佐お化け草紙』に描かれた「殺した人間のもとへ化けて来る」といった描かれ方は、普段から「殺してはいけない」とされていた生物である点からの描かれ方だとわかる[5]

脚注

  1. ^ a b 小野蘭山 著、正宗敦夫 編纂校訂 『重訂本草綱目啓蒙』日本古典全集刊行会、1929年。833頁
  2. ^ 宮地美彦 『土佐方言集』 富山房、1937年、228頁。
  3. ^ a b 桂井和雄 『生と死と雨だれ落ち』 高知新聞社、1979年。170-174頁。
  4. ^ 民俗学研究所 『綜合日本民俗語彙』第4巻 平凡社、1956年。1636頁。
  5. ^ a b 常光徹「妖怪絵巻と民間説話――「土佐お化け草紙」の民俗的背景」 国立歴史民俗博物館 編 『異界談義』 角川書店、2002年。21-26頁。

参考文献



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